1988 Fiscal Year Annual Research Report
大規模レイトレイシングによる宇宙プラズマ波動エネルギーの広領域空間構造の研究
Project/Area Number |
63420016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 磐根 京都大学, 工学部, 教授 (00025884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 敏郎 京都大学, 工学部, 教務技官 (80109032)
山本 正幸 京都大学, 工学部, 助手 (30200843)
筒井 稔 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (10026172)
大村 善治 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (50177002)
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Keywords | レイトレイシング / 磁気圏 / 宇宙空間プラズマ / 科学衛星EXOS-D(あけぼの) / 波動粒子相互作用 |
Research Abstract |
大型計算機を用いた大規模レイトレイシングの開発・実行・解析に関しては、複数のプラズマ成分から構成されるホットプラズマ中において、ロスコーン分布などによる不安定性に伴う増幅率が伝搬路の計算と同時に行えるようなレイトレイシングプログラムが開発された。その応用としては、磁気赤道域で観測されるTerrestrial Myriametric Radiationと呼ばれる電磁波動の発生機構として考えられる静電波からLーOへのモード変換を調べるため、電波の窓からの非常に多くの伝搬路の計算を行い、その伝搬路の局在性や増幅率に関して新たな知見を得た。また、イオンの関与するモードのコールド及びホットプラズマ中の3次元レイトレイシングのプログラムを完成させた。VLF領域では従来同一磁気子午面の近傍においてのみ伝搬すると考えられていたホイッスラー波に関して、磁気赤道上を出発点とする多数本の伝搬路の計算を行い経度方向に大きく伝搬するような伝搬路が存在することを確認し、また衛星間実験で地上1000km付近から放射された電波が磁気圏中をどの程度経度的に広がりを持って伝搬するかについても確認できた。 大型計算機で計算された結果および対照すべき科学衛星データとを有機的に結合して、観測された波動現象の伝搬ベクトル方向と計算値とを対応づけるワークステーションを含むイーサーネットワーク(LAN)の今年度予定分が完成した。またこのシステムにより汎用的なグラフィックソフトウェアの開発や大型計算機上で作成した図形データをワークステーション上で再生するためのソフトウェアの開発も予定通りほぼ完成した。一方磁気圏中のエネルギーの流入過程を調べることを目的とした科学衛星EXOS-D(あけぼの)が平成元年2月22日に打ち上げられたので次年度には上記のシステムを有効に生かして、特にその波動データを解析し、本研究の目的を十分に達成していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大村善治: Computer Physics Communication. 49. 133-142 (1988)
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[Publications] 大村善治: J.Geomag.Geoelectr.40. 946-961 (1988)
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[Publications] 大村磐根: "AGU Monograph:Plasma waves and instabilities at comets and magnetospheres "Ray paths of electromagnetic and electrostatic waves in the earth and planetary magnetospheres"" American Geophysical Uinon, (1989)
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[Publications] 大村善治: "AGU Monograph:Particle simulations of nonlinear of whistler and Alfver wave instabilities "Amplitude modulation,decay,soliton and inverse cascading"" American Geophysical Union, (1989)