1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63420020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 高光 大阪大学, 教養部, 助教授 (30011729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦田 利文 徳島大学, 工学部, 助手 (60167905)
田窪 宏 大阪大学, 教養部, 助教授 (80029678)
久米 昭一 大阪大学, 教養部, 教授 (00029604)
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Keywords | 高精度湾曲型位置敏感X線検出器 / 逐次測定 / 結晶構造変態 / 転移・反応速度 / ダイアモンドアンビル油圧式高圧 |
Research Abstract |
昨年度は本研究の初年度であるため装置の設置とデ-タ処理システムの開発を行った。本装置は強力X線源(回転対陰極発生装置)を用いて四軸型自動回折計上に置かれた単結晶のX線回折強度を高精度湾曲型位置敏感X線検出器で短時間で測定することを目的に開発した。(1)そのため新規開発部分が多く本年度は検出器の空間分解能や強度検出の直線性などの精度テストをまず初めに行った。その結果それぞれ1%以内の精度で測定できることが解った。(2)結晶構造の時間変化を調べるためCAMACシステムを用いてX線回折の逐次測定をし高速デ-タ処理を行うように設計した。そのシステムの性能テストを兼ねてSiの粉末回折実験を行った。測定時間1秒でも解析に充分可能な精度で粉末回折デ-タを測定できることが明らかになった。従来の粉末回折計での測定時間がほぼ1時間要することを考えると著しい成果である。現在数十〜数百ミリセカンドでも測定できるように改良している。(3)構造変化の過途現象や前駆現象また原子変位の時間分割解析を単結晶試料を用いて回折実験で行うことを目的に四軸型自動回折計を設置した。この実験を行うためには結晶軸方位を正確に設定する必要がある。そのため回折線の位置の検出、および方位マトリックスを精密化する計算機制御システムを作成している。現在任意の目的の逆格子二次元平面での回折強度測定が可能になった。その結果色々な散漫散乱の測定が容易に出来るようになり、既存の方法では測定困難であった構造変化の過渡期に生じる諸現象の解明が可能になった。(4)結晶構造変態の一つとして圧力誘起構造転移の観察をダイアモンドアンビル圧力発生装置を用いて圧力を関数としたX線回折実験が現在進行中である。高圧相への転移の前駆現象と考えられる非晶質転移が存在することがGe02やCa(OH)2に見いだされた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Uno,R.,Ozawa,H.,Yamanaka,T.,Morikawa,H.,Ando,M.,Ohsumi,K.&Yukino,K.: "Powder Diffractometry at the Tsukuba Photon Factory." Aust.J.Phys.41. 133-144 (1988)
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[Publications] Ozawa,H.,Uno,R.,Yamanaka,T.,Morikawa.,Ando,M.&Ohsumi,K.: "New powder diffractometer for the Photon Factory." Rev.Sci.Instrum. 60. 2382-2385 (1989)
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[Publications] Kume,S.,Ohtaka,O.,Yamanaka,T.&Navrotsky,A.: "High Pressure Polymorphs in Ceramics and Minerals GeO_2 and ZrO_2" Solid State Ionics. 32/33. 285-287 (1989)