1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63420020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 高光 大阪大学, 教養部, 教授 (30011729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大高 理 大阪大学, 教養部, 助手 (40213748)
田窪 宏 大阪大学, 教養部, 助教授 (80029678)
久米 昭一 大阪大学, 教養部, 教授 (00029604)
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Keywords | 結晶構造変態 / 逐次測定 / 高温・高圧 / X線回折 / カイネティクス / 非晶質転移 / 脱水反応 |
Research Abstract |
本研究は地球内部物質の環境を再現し、その環境の変化に即応した結晶構造の変化を温度・圧力を変数にして解析することである。X線回折実験を用いて結晶の構造、組織の変化を逐次測定してその機構とカイネティクスを論ずる。本実験を行うためには高温・高圧条件を設定するシステムが必要である。又秒単位での構造の変化を測定する時間分割回折実験装置が必要である。本研究に充当する既成の装置がなく、まず始めに装置開発を行い、その後性能テスト等を行った。今年度はこの装置を使用し以下の実験成果を得た。(1)<GeO_2の圧力誘起非晶質実験>___ー 石英(SiO_2)と同構造である本試料を用いて高圧下での多形構造の前駆現象の解明を行った。GeO_2は室温で圧力6GPaで非晶質転移をする。より高圧な25GPaでも結晶化しない。ラマン分光実験と、EXAFS実験から非晶質相の中で低圧領域では四配位分子のポリマ-であるが更に晶圧すると六配位分子の存在比が徐々に増す事が明らかになった。非晶質だがそれを構成する分子の構造が徐々に変化する。85℃に加熱すると1GPa以下の低圧でも高圧相のルチル構造に容易に転移する。非晶質中の分子は僅かな熱活性により秩序配列し結晶相に転移することが明らかになった。(2)<含水鉱物の脱水反応の機構とカイネティクス>___ー マグマの流動や粘性に重要である高圧下での含水鉱物の転移機構や脱水反応の研究としてCa(OH)_2と、Mg(OH)_2の高温実験で脱水反応のカイネティクスについて実験した。脱水反応の活性化エネルギ-は陽イオンに無関係に両者共に同一であった。反応過程での結晶格子の変化が解明された。又室温で11GPa以上では非晶質相に転移する。又8.8GPa、458Kで新しい高圧相が初めて発見された。降圧すると初期状態に戻る事から高圧で構造転移はあるが脱水反応は確認されなかった。(3)ZrO_2の高圧相の構造を粉末回折実験デ-タからリ-トフエルト法で解析した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Kawasaki,T.Yamanaka,S,Kume & T.Ashida: "Crystallite size effect on the pressureーinduced phase transformation of ZrO_2." Solid State Comm.76. 527-530 (1990)
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[Publications] O.Ohtaka,T.Yamanaka,S.Kume,N.Hara,H.Asano & F.Izumi: "Structure analysis of orthorhombic ZrO_2 by high resolution neutron powder diffraction." Proc.Japan Acad.66. 193-196 (1990)
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[Publications] S.Kume,O.Ohtaka,T.Yamanaka & A.Navrotsky: "High pressure polymorphs in ceramics and minerals GeO_2 and ZrO_2." Solid State Ionics. 32/33. 285-287 (1989)
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[Publications] H.Ozawa,R.Uno,T.Yamanaka,H.Morikawa,M.Ando & K.Ohsumi: "New powder diffractometer for the Photon Factory." Rev.Sci.Instrum.60. 2382-2385 (1989)
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[Publications] T.Ashida,S.Kume,E.Ito & A.Navrotsky: "MgSiO_3 ilumenite:heat capacity,thermal expansivity and enthalpy of transformation." Phys.Chem.Minerals.16. 239-245 (1988)
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[Publications] T.Akamatsu,M.Koto,H.Sawamoto,M.Kumazawa,K.Fujino & T.Yamanaka: "Pressure and Temperature dependence of cation distribution in MgーMn olivine." Phys.Chem.Minerals.16. 105-113 (1988)