1989 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜の軟X線光学定数の研究と軟X線用多層膜光学素子の開発
Project/Area Number |
63420023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
波岡 武 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (90015743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 繁 東北大学, 理学部, 教授 (10005796)
高島 幸史 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (10006140)
山本 正樹 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (00137887)
柳原 美廣 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (40174552)
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Keywords | 軟X線 / 多層膜 / 光学定数 / 超薄膜 / 軟X線光学素子 / 軟X線分光反射率計 |
Research Abstract |
本研究は膜厚・膜質の正確なモニタ-法や薄膜状態における光学定数の精密決定法などの基礎的研究の上に、軟X線に対しても直入射光学系を可能にする各種多層膜義学素子を開発しようとするものである。そのため今年度は前年度に引き続き、放射光を用いた反射率の測定から、軟X線光学定数を高精度で決定すると共に、それらを用いて多層膜反射鏡や偏光子等を設計・製作し、その性能評価を行った。また、前年度製作したレ-ザ-プラズマを光源として研究室用軟X線反射率計を改善して高効率・高精度化を図り、放射光施設利用におけるマシンタイムの不足を補った。次に主な成果を記す。 (1)イオンビ-ムスパッタ法や電子ビ-ム蒸着法で蒸着した膜厚50〜270Aの金薄膜について放射光を用いた軟X線反射率のデ-タから光学定数を決定し、それが膜厚や蒸着法に依存することを明らかにした。 (2)炭素保護付きの金やRh、Ru蒸着薄膜について光学定数を求め、保護膜無しの同じ試料の光学定数と良く一致することから、光学定数の解析モデルが妥当であることを確認した。 (3)前年度に決定した光学定数を用いて、Mo/SiやRh/Si系多層膜反射型偏光子、検光子を設計・製作し、高工研PFBLー11Aの分光器出射光のうち100eV付近の光について偏光特性を測定し、偏光度が94%以上であることを明らかにした。この値は前置鏡の調整で影響を受け易いことも分かり、今後ビ-ムラインの光軸調整には偏光度も併せてモニタ-して行うこととした。 (4)上記検光子を用いてレ-ザ-プラズマを光源とした軟X線反射率計の試料付近での偏光度を測定し、2.8%と見積られたことから同反射率計を使った測定の偏光に関する信頼性が向上した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Yanagihara: "Optical Constants of CVDーSic Mirrors Produced by Different Processes from 200 to 1000eV" Japanese J.of Applied Physics. 28. 128-131 (1989)
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[Publications] M.Yamamoto: "Multilayer Mirrors for Use as a Wavelengthーselective filter around 100 eV" Rev.Sci.Instrum.60. 2010-2013 (1989)
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[Publications] M.Yanagihara: "Optical Constants of Superthin Gold Films for Soft X Rays" Rev.Sci.Instrum.60. 2014-2017 (1989)
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[Publications] S.Mitani: "Apparatus for Characterizing the VUV and Soft XーRay Optical Elements at the Photon Factory" Rev.Sci.Instrum.60. 2216-2218 (1989)
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[Publications] S.Sato: "Sic Mirror Development at the Photon Factory(invited)" Rev.Sci.Instrum.60. 1479-1485 (1989)
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[Publications] S.Nakayama: "Soft XーRay Reflectometer with a LaserーProduced Plasma Source" Physica Scripta.