1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63420024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相原 康彦 東京大学, 工学部, 教授 (90011072)
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Keywords | Hypersonic Aerodynamics / Hypersonic Transport |
Research Abstract |
1 極超音速長距離輸送機(HST)開発のための空気力学的課題の調査を行った。HSTはその使用するエンジンがマッハ数Mが3.5〜4まではターボジェットエンジン、6まではターボラムジェットエンジン、それ以上ではスクラムジェットエンジンであることが予想され、それぞれのエンジンに適した燃料は、通常のジェット燃料、液体メタン、液体水素である。高速機用の燃料ほど軽く、かつ長距離用に搭載する量も増すので格納する胴体々積はMと共に急増する。このようにHSTの設計には従来の輸送機の場合とは異なる考慮が必要となる。さらにMに対するエンジン性能、機体形状の変化、空力特性の変化等をとり入れたシミュレーションモデルを作成することにより、最も経済性に優れたHSTの巡航マッハ数の選定としてM=7が得られた。このような基本計画の検討が行われた。全機形状まわりの流れの推定としては、ニュートン流近似による圧力分布の解析、衝撃波ー膨張流と平板境界層の組合せによる粘性補正計算を提案し、妥当性の検討を行った。 2 HSTの全機形状、平板、円錐等の基本的形状について、東京大学工学部航空学科のM=7の風洞を用いた予備実験が行われた。表面圧力分布、熱伝達分布、表面流跡の観察、衝撃波の観察等で、HSTまわりの流れの概要を調べることができた。数値解析による分布の推定との比較は今後の課題である。 3 極超音速流は高エンタルピー流であるから、HSTの研究においては空力特性と同時に熱の問題が重要である。熱の効果として、問題点は(1)空力加熱とその防御、(2)空力加熱と境界層遷移の関係、(3)極超音速流の熱的制御による空力特性の改善の可能性 の3種類に分類され、それぞれHST開発にとって極めて重要であることがわかった。2の風洞実験でこれらの初期的成果が得られている。
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[Publications] 相原康彦: 自動車技術. 42. 102-103 (1988)
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[Publications] M.Ebihara: International Council of the Aeronautical Sciences,Israel ICAS-88-6.8.2. (1988)
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[Publications] M.Ebihara: 第26回飛行機シンポジウム講演会講演集 日本航空宇宙学会. 26. 196-199 (1988)
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[Publications] 野口聡: 第20回流体力学講演会講演集 日本航空宇宙学会. 20. 114-117 (1988)
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[Publications] 泉山卓: 第20回流体力学講演会講演集 日本航空宇宙学会. 20. 194-197 (1988)
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[Publications] 小山久夫: 第26回飛行機シンポジウム講演会講演集 日本航空宇宙学会. 26. 440-443 (1988)