1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63420025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 寛一郎 東京大学, 工学部・航空学科, 教授 (40011126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柄沢 研治 東京大学, 工学部・航空学科, 助手 (60134491)
鈴木 真二 東京大学, 工学部・航空学科, 助教授 (30196828)
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Keywords | スペ-スプレ-ン / ディスプレイ / 飛行力学 / 最適制御 / 飛行経路 |
Research Abstract |
本年度は、当研究の2年目である。本年度の主な成果は、模擬飛行装置の作成と、スペ-スプレ-ンの基礎的な飛行特性を明確にした点にある。 模擬飛行装置は、ジョイスティックからの操舵入力をパソコンによりAD変換し、グラフィックワ-クステ-ションにデ-タを受け渡し、スペ-スプレ-ンの運動方程式を実時間で解きながら飛行状況をコンピュ-タグラフィックスでアニメ-ション表示する。操縦部、パソコン、ワ-クステ-ション間の各インタ-フェンス部が難関であったが装置の概要は完成した。今後は、飛行ディスプレイ方式を検討する。 スペ-スプレ-ンの超高層、極超音速での飛行解析のために、ニュ-トン流近似による空気力計算プログラムを開発し、極超音速飛行時の動安定微係数の推定を可能とした。モデル機体の解析の結果、迎角、横滑り角に関する安定微係数には大きな非線形性があることが明確になった。また、地球の曲率、自転を考慮した剛体の運動方程式を誘導した。超高層、極超音速での飛行時には、空気力よりも遠心力、コリオリ力等の慣性力が大きいことが明らかになった。また、こうした運動方程式の線形化方程式を誘導し、機体の飛行モ-ド特性を解析した。その結果、通常の航空機とのモ-ド特性の差は、縦の運動に緩やかな発散項が現われることと、高度の差による密度差に超因する長周期モ-ドが現われることを明らかにした。また、スペ-スプレ-ンの上昇飛行経路の最適化を昨年に引続き実施し、タ-ボラムジェット、スクラムジェット、ロケットエンジンの組合せによる最適経路を求めた。
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[Publications] 加藤寛一郎: "スペ-スプレ-ンの飛行力学" 第27回飛行機シンポジウム講演集. 14-17 (1989)
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[Publications] 加藤寛一郎: "Space Planeの最適上昇問題について" 第33回宇宙科学技術連合講演会講演集. 234-235 (1989)
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[Publications] 加藤寛一郎: "スペ-スプレ-ンの運動解析" 第33回宇宙科学技術連合講演会講演集. 236-237 (1989)
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[Publications] 加藤寛一郎: "スペ-スプレ-ン" 東京大学出版会, 194 (1989)