1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63420038
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金原 勲 東京大学, 工学部, 教授 (50011101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 勇 東京大学, 工学部, 助手 (00143389)
鈴木 敏夫 東京大学, 工学部, 助手 (20010895)
影山 和郎 東京大学, 工学部, 助教授 (50214276)
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Keywords | 複合材料構造 / 疲労信頼性 / 疲労損傷 / SーN線図 / 剛性低下曲線 / AE特性 / 音響超音波法 / 層間き裂進展特性 |
Research Abstract |
1.ガラス(GF)、アラミド(AF)、GF/AFハイブリッドFRP積層板の空気中および水中における定振幅繰返し3点曲げ試験を行い、SーN線図および剛性低下曲線を求め、疲労破壊機構の評価を行った。この結果、AF層を含むことにより破壊様式が変化し、疲労強度の低下率が多少増加するハイブリッド効果が認められた。一方、残留強度は負荷レベルが異なっても、ほとんど変化しないことが示された。また、吸水率は最大2.2〜3,2%に達し、一般に疲労強度に及ぼす影響が大きいことが明らかにされた。 2.各負荷レベルに対応し、疲労損傷を与えた試験片の残留強度を求めると同時に、AE計測および音響超音波法による超音波波形の減衰計測を行った。この結果、負荷レベルの増大に伴い超音波減衰特性が低下する傾向が明瞭に認められ、伝播波形の減衰が試験片内部の複雑な損傷度合に対応していることが示された。また、疲労損傷の状況を超音波探傷Cスコ-プ法による観察も行った。一方、健全材と損傷材のAE特性については、発生挙動および振幅に有意差が認められ、負荷履歴による差異があることがわかった。 3.一方向およびクロスCFRP積層板の層間き裂進展特性をENF(End Notched Flexure)試験により評価した。き裂長さの測定にはコンプライアンス法を用い、空気中および水中の疲労き裂進展速度をParis則により求めた。この結果、一方向材の疲労き裂進展速度はクロス材より大きく、また一方向材の場合には吸水による応力比Rに対する影響が大きく、クロス材では吸水の影響が小さいことがわかった。
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