1988 Fiscal Year Annual Research Report
鉄系形状記憶合金および整合析出粒子のマルテンサイト変態に及ぼす磁場効果
Project/Area Number |
63420045
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 彰一 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (20089824)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅治 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (50161120)
|
Keywords | 磁気異方性 / マルテンサイト変態 / 外部磁場 / 時効析出 |
Research Abstract |
磁気異方性測定装置は9月に納入され、装置のキャリブレーションや性能テストも完了し、順調に稼動している。本研究で磁気異方性測定を予定している材料は、FeーN,FeーMnーSi,FeーCrーNi及びCuーFe合金であるが本年度は実験に適した組成の合金単結晶を見出すための予備段階であって、一部の試料(FeーCrーNi及びFeーN)についてのみ磁気異方性測定装置の機能を必要とする測定を行い、例えば、FeーN中に析出させたFe_<16>N_2の要易磁化方向と析出中に引加した磁場の関係や磁場中変形によってFeーCrーNi合金中に導入したα相による磁気異方性を調べ、興味深い結果を得ている。すなわち、FeーN合金では、磁場中時効によって磁気異方性を有するFe_<16>N_2析出物が特定の配向性をもって形成されることを見出し、CuーFe合金では、引張り試験中、磁場の引加によってγーFe粒子からαーFe粒子へのマルテンサイト変態が促進されることを見出している。 なお、FeーMnーSi形状記憶合金やCuーFe合金のマルテンサイト変態及び磁気変態に対する磁場効果については、実験に適した変態温度を持つ単結晶を見出すため、種々の組成の単結晶試験片を用意して電気抵抗測定や比熱測定並びに降伏強度の温度依存性等を調べている。また、これと平行して磁場中引張り試験用装置の作製を行い、4.2〜400Kの各温度で、5.6Teslaまでの磁場中引張りが可能となった。 これら析出やマルテンサイト変態の駆動力となる磁気的効果の定量的な議論は、さらに詳細な実験を必要とするので、目下進行中である。
|