1989 Fiscal Year Annual Research Report
鉄系形状記憶合金および整合析出粒子のマルテンサイト変態に及ぼす磁場効果
Project/Area Number |
63420045
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 彰一 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (20089824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅治 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (50161120)
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Keywords | 磁気異方性 / マルテンサイト変態 / 外部磁場 / 時効析出 |
Research Abstract |
磁気異方性測定装置は予定通りの成能を発揮し、γーFe粒子のγ→αマルテンサイト変態に及ぼす磁場効果とFe_<1b>N_2析出物の一軸磁気異方性についての有益な知見が得られた。それらを下記に要約して述べる。 〈Fe粒子のマルテンサイト変態〉 γーFeからαーFeへ変態したFe粒子は強磁性体であり、磁気異方性がある。αーFe粒子は母相と特定の方位関係(KurdiumovーSacksの方位関係)を持つ。単結晶を用いて引張り変形を行い、母相と特定の方位関係にあるバリアントを導入して磁気異方性を測定し、さらに焼鈍による磁気異方性の変化からαー鉄粒子の形状変化と双晶の消失に関する知見を得た。 〈FeーMnーSi合金の磁性〉 当初はFeーMnーSi合金単結晶の反強磁性について研究する予定であったが、この材料についてはγ→εマルテンサイト変態を担う転位の運動に主眼が置かれ、磁気変態に関する研究は見合せることとした。 〈Fe_<1b>N_2の時効析出〉 FeーMnーSiに換えてFe_<ib>N_2の析出と共に変化する磁気異方性の測定を行った。特に興味深い結果としては、低温におけるFe_<1b>N_2の形成初期には一軸異方性が〈100〉型ー軸異方性を持たないという点があげられる。これは低温時効中に磁場を引加しても配向析出をしないという従来の結果を説明するものである。なお、高温時効では完全な〈100〉型ー軸異方性が観察され、磁場中電流加熱の実験では、この〈100〉配向析出が核生成に対する磁場効果であることが判明した。
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Research Products
(2 results)