1989 Fiscal Year Annual Research Report
YーBaーCuーO系高温超伝導体の構造欠陥と性能劣化の高分解能電顕による研究
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63420046
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
長倉 繁麿 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80016261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 直紀 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (90108184)
弘津 禎彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70016525)
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Keywords | Y系酸化物高温超伝導体 / Y系酸化物の水蒸気による分解 / 高分解能電顕法 / Bi系酸化物高温超伝導体 / Bi系酸化物の変調構造 / 非整合周期 / 金属元素置換 |
Research Abstract |
本年度に於いては、Y系酸化物高温超伝導体並びにBi系酸化物高温超伝体に関し高分解能電顕を主として使用して研究を行なった。 1.Y系酸化物の研究.この系の超伝導体は水による性能劣化が著るしい。その機構解明のため、焼結法により作製したYBa_2Cu_3O_<7-y>の試料を室温及び55℃の飽和水蒸気中に放置し、時間経過に伴う構造変化を電気抵抗測定、インダクタンス測定、X線回折法、高分解能電顕法により調べた。その結果、転移温度Tcは変化せず超伝導相の体積率が時間と共に減少すること、分解生成物はBa_2CO_3、Y(OH)_3及びCuOであること、分解は…ーCuOーYーCuOーBaOーCuOーBaOーCuOーYー…の積層構造のBaOーCuOーBaO層から出発すること、Ba_2CO_3は試料表面に、Y(OH)_3は結晶界面に形成されること、CuO層は結晶内でCuO結晶を形することが判明した。 2.Bi系酸化物の研究.この系の超伝導体は結晶のb軸に沿って非整合長周期を示すのが特徴である。その詳細を解明するため金属元素の一部を他金属元素で置換したものについて高分解能電顕法による研究を行なった。用いた試料は液体急冷・焼鈍法及び焼結法により作製したBi_<2-x>Pb_xSrCaCu_2O_<8+y>(x=0〜1.0;2212相),Bi_<2-x>Pb_xSr_2Ca_2Cu_3O_<10+y>(x=0〜0.3;2223相)及びBi_2Sr_2Ca_<1-x>YxCu_2O_<8+y>(x=0〜0.5;2212相)である。研究の結果、Pb置換試料では、x≦0.1のときの変調周期は4.8b_0(b_0は基本周期)たが、x≧0.2となるとこれと異なる変調周期をもつ相もあわせて出現し、その周期はPb置換量の増加と共に増加して7b_0〜8b_0と変化する。Y置換試料では、x=0のときの変調周期4.7b_0からx=0.8の4.0b_0までのxの増加と共に変調周期は次第に減少するが、x=1.0になると新たな周期8.0b_0のものが出現する。また、計算像・回折強度分布と実測のものとも比較した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Hirotsu,O.Tomioka,N.Yamamoto,Y.Nakamura,S.Nagakura,Y.Iwai,M.Takata: "Modulated Structures of the HighーTc Superconductor BiーPbーCaーSrーCrーO Studied by High Resolution Electron Microscopy and Diffraction" Japanese Journal of Applied Physics. 28. L1783-L1786 (1989)
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[Publications] Y.Hirotsu,N.Yamamoto,O.Yomioka,K.Miyagawa,Y.Nakamura,Y.Inoue,S.Nagakura,Y.Iwai,M.Takata: "Modulated Structures of BiーBased HighーTc Superconducting Oxides" Proc.2nd International Symposium on Superconductivity(November 14ー17,Tsukuba). (1990)
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[Publications] 宮川勝己,佐々木純,柳田和男,弘津禎彦,山本直紀,長倉繁麿: "起伝導酸化物YBa_2Cu_3O_<7-y>の高温度雰囲気における構造変化" 日本金属学会平成2年度春期講演大会. (4月). (1990)