1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63430006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩村 秀 東京大学, 理学部, 教授 (10011496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 登 東京大学, 理学部, 助手 (60161890)
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Keywords | ポリアセチレン / ポリジアセチレン / ポリラジカル / 有機強磁性体 / 常磁性磁化率 / ESRスペクトル |
Research Abstract |
これまで系統的かつ段階的に合成して来たポリ(mーフェニレンカルベン)に代って、比較的容易に10^2〜10^3個のスピンを1分子内に揃えることが可能と思われるポリアセチレンおよびポリジアセチレンの分子設計を進めた。 1.1,4ジフェニルー4,3ーブタジインがレジオ選択的に重合する場合を想定し、ラジカル中心をフェニル基のどこに配置すればよいかと言う問題解決へのアプローチを、モノマージナイトレインを用いたモデル実験で行なった。その結果、各フェニル基のmおよびp′位であることが明らかとなった。 2.オレフィンメタセシスに活性なV,VI族遷移金属触媒、および立体規制により優れていると言われるルテニウム錯体を用い、各種置換フェニルアセチレンの重合を行なった。すべての安定ラジカルおよび多くの窒素官能基は触媒毒となることが分かった。 3.多くのポリ(フェニルアセチレン)は有機溶媒に可溶である点に着目し、pーBr、p-co_2CH_3、pーPnCO誘導体を得た後に、置換基を化学的に変換して、安定ラジカルを導入した。 4.平均分子量Mw=3〜7×10^4、スピン濃度(ESRスペクトルおよび磁化率による)0.044〜1.9×10^<21>スピン/gのポリフェノキシル、ポリベルダジル、ポリニトロキシルなどを得ることに成功した。 5.磁化率の測定によると、低温ではS=1/2〜1の常磁性が支配的であるが、室温で一部強磁性的振舞いを示す試料が得られた。 6.平均的にはモノマーユニットの10〜24%しかラジカルとなっておらず、よりスピン濃度の高い均一な試料作製を試みている。 7.pー位にジアゾメチル基およびアジド基を持つフェニルジアセチレン誘導体を合成した。
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[Publications] 岩村秀: Macromolecules. 21. 3386-3388 (1988)
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[Publications] 岩村道子: Chemistry Letters. 1249-1252 (1988)
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[Publications] 高木克彦: Journal of the Chemical Society Faraday Transaction I. 84. 3475-3486 (1988)
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[Publications] 岩村秀: Reviews of Heteroatom Chemistry. 1. 22-30 (1988)
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[Publications] 岩村秀: サイエンス. 19(2). 76-88 (1989)
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[Publications] 古賀登: 日本化学会誌. (1989)
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[Publications] 岩村秀: "大学院有機化学(上、中、下)" 874- (1988)