1988 Fiscal Year Annual Research Report
琉球弧を中心とする太平洋西縁域における後期新生代海洋環境変動の研究
Project/Area Number |
63430012
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
氏家 宏 琉球大学, 理学部海洋学科, 教授 (60000113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 聰 琉球大学, 理学部海洋学科, 助手 (50124855)
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Keywords | 海溝斜面 / ピストンコア / 底生有孔虫群集 / 極微量質量分析計 / 酸素同位比 / 島尻層群 / 第四紀氷河変動 / 琉球弧 |
Research Abstract |
はじめに交付申請書中の昭和63年度研究計画に記した項目に従って、研究の進行状況を示す。 1.宮古島沖海溝斜面よる得たピストンコア(KT84ーP1)については、残りの課題であった底生有孔虫群集の詳細な研究も終了し、予報の投稿後、国際誌に投稿すべく原稿を作成中である。 2.石恒島沖海溝斜面より採取したピストンコア7本を含む堆積物試料の堆積学的・微古生物学的予察研究は、その成果を投稿中である。 特にコアRN87ーPC4は約10万年前に達していることが分り、より詳しい解析を進め、大要を明らかにした(別途の論文を用意中)。 3.宮古島南東沖海溝斜面上で、水深約3500mから350mにかけて5本のピストンコアとオケアン型採取〓泥器による5サンプルを採取し、その概要をまとめつつある。 4.極微量質量分析計を西ドイツより購入し整備を2月末に終えた。 5.3月中旬までに、上記コアRN87ーPC4の酸素・炭素安定同位体比を測定する予定。 6.沖繩本島南部に発達する島尻層群の標準層序について、底生有孔虫群集変動に関する予察的研究を終了した。 以上の成果のうち、とりわけ注目されるのは、海洋学的には熱帯下にある本海域で、少なくとも約15万年前以降、第四紀氷河変動の影響が確認されたのは予期以上のことであった。また同影響が宮古島沖から石垣島沖にかけて低下する傾向を示す点も興味深いものである。火山灰層の分布から、約85000年前以降、"黒潮反流"が存在していたことが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ujiie,Hioshi: In:Taira,A.& F.Masuda,eds.:Sedimentary facies in the active plate margin.TERRAPUB Co.,Tokyo.(1989)
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[Publications] 氏家宏,小野朋典: 高柳洋吉・石崎国煕編:日本列島の有孔虫. (1989)
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[Publications] 小野朋典,緑川義行,氏家宏,山本聰: 琉球大学理学部紀要. (1989)