1989 Fiscal Year Annual Research Report
高温材料の耐酸化性薄膜の作製とその速化速度に関する研究
Project/Area Number |
63430013
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永田 和宏 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70114882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須佐 匡裕 東京工業大学, 工学部, 助手 (90187691)
丸山 俊夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20114895)
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Keywords | 高温材料 / 耐酸化性 / 薄膜 / SiO_2 / 拡散係数 / 熱伝導 / Mo_3Al_8 / コ-ティング |
Research Abstract |
高温材料の耐酸化性の向上はAl_2O_3,SiO_2またはCr_2O_3などの酸化物皮膜を表面に形成することにより達成される。平成元年度はSiウエハの高温酸化速度と生成するSiO_2の性質について、昭和63年度から引継いだ研究を行うとともに、薄い膜の熱伝導率を測定する新しい手法を開発した。また、金属材料の超高温使用を目的として高融点金属のモリブデン(Mo)の表面にパックセメンテ-ション法によりAlを拡散処理して、その耐酸化性の向上に関する研究を行った。 (1)Siの熱酸化機構に関する研究:Siの熱酸化速度からSiO_2中の酸素の拡散係数を求めた。さらに、酸化速度の酸素分圧依存性はSiO_2中の酸素の溶解度の変化によることを明らかにした。また、臭素ガスの酸化速度に及ぼす効果を明らかにした。 (2)薄膜材料の熱伝導率測定法の開発:昭和63年度で開発したスポット加熱法を改良したパルススポット加熱法を完成した。この方法はレ-ザ-ビ-ムを試料表面にパルス状に照射し、表面の温度変化を測定する方法である。これにより、25μ以上の膜厚のSiO_2の熱伝導率を測定できることを明らかにした。 (3)パックセメンテ-ション法によるMo表面のAlコ-ティング:Moに塩化アンモニウムを活性剤としてAlをパックセメンテ-ション法によりコ-ティングした。コ-ティング層は冷却時に導入された多数の亀裂を有するMo_3Al_8から成っている。Mo_3Al_8自身は高い耐酸化性を有しているが、高温酸化時にコ-ティング層中の亀裂が進展してMo基板にまで達する事により、耐酸化性が失われることを明らかにした。これは、小量のSiを予めコ-ティングした後、Alコ-ティングすることで解決できることを見いだした。さらに、コ-ティング層の生成過程を、新たに作成したMoーAlーSi系の状態図を用いて、解明した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 須佐匡裕,後藤和弘: "Siウエハの熱酸化に関する基礎研究の現状" 日本金属学会報. 27. 266-276 (1988)
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[Publications] 須佐匡裕,永田和宏,後藤和弘: "薄い材料の熱伝導率と熱拡散率測定用スポット加熱法" 日本金属学会誌. 53. 543-549 (1989)
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[Publications] 須佐匡裕,篠原秀幸,永田和宏,後藤和弘: "シリコン基板の熱酸化に及ぼす臭素の影響" 日本金属学会誌. 53. 1054-1061 (1989)
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[Publications] 須佐匡裕,永田和宏,後藤和弘: "シリコン基板の熱酸化材構" 日本金属学会誌. 54. 33-40 (1990)
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[Publications] 須佐匡裕,篠原秀幸,永田和宏,後藤和弘: "非晶質シリカ薄膜中の酸素の拡散" 日本金属学会誌. 54. 193-200 (1990)
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[Publications] 張力〓,後藤和弘: "表示素子WO_<3ー6>薄膜の作成とLi^+の拡散係数の測定" 日本金属学会誌. 53. 906-913 (1989)
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[Publications] 畢暁〓,丸山俊夫,永田和宏: "モリブデン表面のアルミニウムコ-ティング層の組織とその耐酸化性" 日本金属学会誌.
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[Publications] Xiao Fang Bi,Toshio Maruyama and Kazuhiro Nagata: "Phase diagram of Mo-Al-Si ternary system at 1323K" J.Less Common Metals.
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[Publications] 畢暁〓,丸山俊夫,永田和宏: "ケイ素ーアルミニウム2段拡散処理によるモリブデンの高温酸化" 日本金属学会誌.