1989 Fiscal Year Annual Research Report
電極反応を高度に利用する非ベンゼン系芳香族化合物の新規合成法の研究
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63430018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
庄野 達哉 京都大学, 工学部, 教授 (80025858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木瀬 直樹 京都大学, 工学部, 助手 (90177824)
柏村 成史 京都大学, 工学部, 助手 (50152632)
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Keywords | 電極酸化反応 / シクロヘプタトリエン / γートロポン / 非ベンゼン系芳香族 / メトキシシクロヘプタトリエン |
Research Abstract |
シクロヘプタトリエン(CHT)類のメタノ-ル中での電極酸化反応を用い、7ーメトキシシクロヘプタトリエン(7ーMCHT)、3ーMCHT、さらに7,7ージメトキシシクロヘプタトリエン(7,7ーDMCHT)を高収率で合成する方法を既に開発している。平成元年度は、これらの生成物を用いた位置選択的な置換トロポン類の合成法の確立を目的とした研究を行ない、以下に示す有用な知見が数多く得られた。 (1)3ーMCHTをメタノ-ル中で電極酸化することにより高収率で得られる7,7ーDMCHTと、アルキルリチウム試薬(RーLi)との反応を詳細に検討した結果、CHT環上のメトキシ基の4ー位への位置選択的アルキル置換基導入が可能なことを見出した。また、この生成物を熱転位させた後電極酸化することで、γ置換トロポンの簡単な新合成法を見出した。さらにこの反応を、ネズコンの簡単な合成法に応用した。 (2)3ーMCHTとnーBuLiとの反応により得られるアニオン種は塩基性が高く、ハロゲン化アルキル以外の新電子剤との反応収率は低かったが、反応系に触媒量のCu^Iを加えることでケトンとの反応が高収率で進行することを見出し生成物を電極酸化することでαー位にヒドロキシアルキル基を有するトロポン類の合成に成功した。 (3)CHTー環への電子吸引性置換基の導入は一般に困難である。一方、3ーMCHTとnーBuLiとの反応により得られるアニオン種とアミドとの反応系に触媒量のNi^<II>を加えることで、この反応が高収率で進行し、CHTー環上のメトキシ基のαー位へ位置選択的にアシル基を導入出来ることを見出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 庄野達哉: "ポリエン系の電極反応と有機合成への展開" 日本学術振興会 創造機能化学第一16委員会分科資料. 65-68 (1988)
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[Publications] 庄野達哉: "Anodic Transformatron of Cycloheptatriene to tropone and Tropolone" Tetrahedron Letter. 29. 555-558 (1988)
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[Publications] 庄野達哉: "Electroreductive Intermolecular Coupling of Ketones with Olefins" J.Org.Chem.54. 6001-6003 (1989)
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[Publications] 庄野達哉: "A Novel Regioselective Synthesis of 4ーSubstituted Tropones" Tetrahedron Letter. 31. 895-898 (1990)