1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63440001
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大島 靖美 九州大学, 理学部, 教授 (90037606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 時雄 九州大学, 理学部, 助手 (80197516)
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Keywords | 線虫 / C.elegans / Gタンパク質 / チロシンキナーゼ / プロプラノロール / 形質転換法 / 微量注入 |
Research Abstract |
(A)ラットGタンパク質αサブユニット(Gsα)のcDNA、ショウジョウバエcylclic nucleotide phosphodiesterase(dunce)、RNA腫瘍ウィルスの癌遺伝子vーros(チロシンキナーゼ)をプローブとして、C.elegans野性型の遺伝子ライブラリーから、それぞれ相同性をもつクローンを分離した。前2者と相同性をもつクローンについては、現在塩基配列を決定している。vーrosと相同性をもつクローン4種類については、その相同性を示す領域の塩基配列を決定した。1つは既報のablと相同な遺伝子であったが、他の3つは、いづれも新しいチロシンキナーゼの遺伝子であると推定された。これらについて、対応するmRNA及びcDNAの解析を行う予定である。アドレナリン受容体、アセチルコリン受容体、NaチャンネルのcDNAをプローブとする場合、C.elegans全DNAのサザン解析では、はっきりしたハイブリダイゼイションが検出されなかった。 (B)哺乳動物のアドレナリン受容体を作用点とするプロプラノロールは1mM以上の濃度でC.elegansの運動を阻害する。EMSで処理したC.elegans BO株からプロプラノロールに耐性な株の分離を試みたが成功しなかった。方針を変更し、約70種の行動異常変株(unc)の中に向神経薬剤感受性の異るものを探すこととし、使用する薬剤、濃度、テスト条件などを現在調べている。 (C)C.elegansの形質転換法を利用して遺伝子をクローニングする方法を開発する計画は、しばらく見合せることとした。しかし、形質転換の技法を使用可能にすることはいろいろな目的に重要である。そこで、本年度購入した倒立顕微鏡及びマニピュレーターを用いて、微量注入による形質転換を行う準備を行っている。これには、最近着任した森助手が経験を有しており、この計画に参加している。
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