1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63440001
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大島 靖美 九州大学, 理学部, 教授 (90037606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 時雄 九州大学, 理学部, 助手 (80197516)
森 郁恵 九州大学, 理学部, 助手 (90219999)
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Keywords | 温度走性変異 / チロシンキナ-ゼ / Gタンパク質 / トランスポゾン Tc1 / 遺伝子導入 / 陰門形成 / EGF受容体 / 線虫 |
Research Abstract |
(A)1)Gsα19ゲノム遺伝子ほぼ全体の塩基配列を決定した。PCR法及びライブラリ-のスクリ-ニングにより、cDNAの単離を試みている。2)kinー7のcDNA及びゲノム遺伝子のほぼ全塩基配列を決定した。この結果、kinー7はヒトEGF受容体と類似性の高い受容体型チロシンキナ-ゼをコ-ドすることが明らかとなった。米国P.Sternbergらとの協同研究により、kinー7は、致死や陰門形成不能の変異を起すletー23と同じ遺伝子であることが証明された。kinー7は陰門前駆細胞で発現し、anchor cellからの信号の受容と伝達に働いていると考えている。3)コスミド遺伝子導入の結果、kinー8はletー240と同一の遺伝子でないことが推定された。kinー8及びrolー6マ-カ-遺伝子を野性型に導入して得た線虫にEMSで変異誘発を行い、子孫の中から染色体上のkinー8遺伝子に変異をもつものを探索している。(C)1)mut5に連関したTc1#40を野性型C.elegansに導入し、子孫の中にuncー22変異株を見出した。この結果Tc1#40がmutatorである可能性が強くなった。2)rolー6優性変異遺伝子を挿入したTc1(#55)またはこれにuncー22antisense遺伝子を結合したものをmutー6株に導入したが、rolー6を挿入したTc1の染色体への転移は検出できなかった。(D)1)dafー6株由来の15の温度走性変異株の他に、N2株由来のEMS誘発変異株を少くとも20株単離した。これら相互間で相補性テストを行い、少くとも3組が互いに相補しないことを見出した。2)好冷性変異を示す遺伝子は少くとも3つ存在する(III,X,V)。無走性変異を示す遺伝子は少くとも2つ存在し(I,III),これらの変異株は他の感覚受容行動(che等)についても異常を示す。3)ks5(X)等のマッピングを進めている。4)RW7097(mut6)よりks27、FK41(mut6daf6)よりks32という、Tc1による好冷性変異株を得た。これらは互いに相補せず、第3染色体にマップされる。
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