1990 Fiscal Year Annual Research Report
GーCSFを用いた白血病細胞の病態,特に成熟停止秩序に関する分子生物的解析
Project/Area Number |
63440044
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Research Institution | The Institute of Medical Science, The University of Tokyo (IMSUT) |
Principal Investigator |
浅野 茂隆 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50134614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東條 有伸 東京大学医科学研究所, 助手 (00211681)
谷 憲三朗 東京大学医科学研究所, 講師 (00183864)
小澤 敬也 東京大学医科学研究所, 助教授 (30137707)
佐藤 典治 東京大学医科学研究所, 助教授 (90162461)
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Keywords | 顆粒球コロニ-刺激因子 / 顆粒球コロニ-刺激因子受容体 / 骨髄性白血病 / 細胞内シグナル伝達系 |
Research Abstract |
本年度の研究に関しては3項目に関して下記のような研究を行い以下の成果を得た。 (1)GーCSFリセプタ-(GーCSFR)cDNAのクロ-ニングならびに白血病におけるその性状解析:KGー1細胞の膜分画よりGーCSFアフィニティクロマトグラフィおよび高速液体クロマトグラフィを用いて分子量的150kdのGーCSFを約7385倍迄に精製した。これを用いcdNAクロ-ン化を行おうとした時点で、長田重一博士らによるGーCSFRcDNAクロ-ン化の報告がなされた。従ってその後はGーCSFRcDNAプロ-ブを用いた共同研究を行っている。GーCSFRは骨髄性白血病細胞に一般に発現しており、GーCSFに対する反応性の有無とGーCSFRmRNAの発現の有無は概ね一致したが、例外も1例みとめられている。現在GーCSFR遺伝子の構造をサザン法にて解析中である。 (2)GーCSFによる細胞内情報伝達と種々のプロトオンコジ-ン発現機構の解析:GーCSFにより増殖が刺激されるNFS60細胞株を用いての結果よりGーCSFがGーCSFRと結合後GTP結合タンパク/アデニレ-トシクラ-ゼ系の活性化、細胞内cAMP濃度の上昇、さらには細胞内Ca^<2+>濃度の上昇とプロテインキナ-ゼCの活性化をもたらすことを明らかにした。またMDSならびにCML細胞においてGーCSFを作用させることで種々のオンコジ-ンのうちhckmRNAの増加、ならびにcーmycmRNAの低下をノザン法による解析で認めた。 (3)各種白血病細胞におけるALP,MPO遺伝子の発現機構の解析:これ迄われわれは各種サイトカインの中でGーCSFのみが正常顆粒球におけるALPmRNA発現を誘導し、MPOmRNAの発現を低下させることを明らかにした。さらにMDS単核球、AML及びCML細胞における各mRNAの発現を検討した。さらにMDS,CML細胞はALPmRNA発現がGーCSFにより増加し、MPO発現は概ね低下傾向にあった。一方、AML細胞ではALPmRNAは誘導されず成熟停止機構とALP遺伝子発現との関連性を示唆している。現在ALP(L/B/K型)遺伝子プロモ-タ-領域をクロ-ン化し、CATアッセイを用いて各種白血病細胞中に存在するALPプロモ-タ-活性化因子の検索中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Tani,K.: "Expression of graulocyte and granulocyteーmacrophage colonyーstimulating factors by human nonーhematopoietic tumor cells" Growth Factors. 3. 325-331 (1990)
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[Publications] Ogura,H.: "Implantation of genetically manipulated fibroblasts into mice as antitumor alphaーinterferon therapy" Cancer Research. 50. 5102-5106 (1990)
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[Publications] Shirafuji,N.: "Granulocyte colonyーstimulating factor stimulates human mature neutrophilic granulocytes to produce interferonーalpha" Blood. 75. 17-19 (1990)
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[Publications] Asano,S.: "Beneficial effect of recombinant human glycosylated granulocyte colonyーstimulating factor in marrowーtransplanted patients:Results of multicenter phase IIーIII studies" Transplantation Proceedings. 23. 1701-1703 (1991)
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[Publications] Takahashi,S.: "A novel preparative regimen for bone marrow transplantation in recombinant human granulocyte colonyーstimulating factor with total body irradiation and highーdose cytosine arabinoside"
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[Publications] Watari,K.: "Detection of human granulocyte colonyーstimulating factor mRNA in bone marrow stromal cells by in situ hybridization"
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[Publications] 浅野 茂隆: "新生化学実験講座7:増殖分化因子とその受容体(日本生化学会編)" 東京化学同人, 19 (1991)
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[Publications] 浅野 茂隆: "新版日本血液学全書別巻 分子血液学" 丸善, 7 (1990)