1988 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルパー/インヂューサー成分の多い胸管リンパ球から誘導した抗腫瘍性細胞の臨床応用
Project/Area Number |
63440049
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
松本 純夫 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 講師 (80124957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 規夫 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 研究員 (30201635)
丹 光明 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手 (80192186)
水野 有朋 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手 (50200019)
沓名 哲治 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手 (60175312)
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Keywords | 胸管 / Lymphokine activated killer / 養子免疫療法 |
Research Abstract |
はじめに:血液成分採血装置、ヘモネチクス モデルV50を本研究費で導入したことにより、末梢血リンパ球(PBL)の大量採取が臨床例において可能になった。昭和63年度はV50の導入が予定より遅れたため、2例の消化器癌再発例に対し胸管外瘻を造設、Lymphokine activated killer(LAK)を誘導、投与できたのみであった。 対象:症例1は47歳、男性、肝臓癌で拡大右葉切除後5ケ月目に残肝に再発。8ケ月目に胸管外瘻造設した。胸管リンパの外瘻からの漏出がひどく十分に胸管リンパ球(Thoracic duct lympocyte:TDL)を採取できないためPBLから誘導したLAK(PBLーLAK)を10回、計9.2×10^9経肝動脈的に投与した。Interleukinー2:ILー2は500U/dayをLAK投与当日から5日間連日動注し、2日間休薬した。症例2は69歳、女性、膵臓癌の肝転移で術後2ケ月目に胸管外瘻造設、PBLーLAKを誘導同時に経肝動脈的に投与中である。 成績:症例1は肝転移縮小率40%でPRと判定した。症例2は現在投与続行中であり判定は不能である。 考察:LAK移入療法の有効性をあげるためには、従来の結果からみて少なくとも総細胞数10^<10>程度を移入しなければならないと考えている。当施設ではV50導入ではじめて可能になった数字である。PBLーLAK、TDLーLAKでPRの症例を得たことは化学療法無効症例に条件さえ選べば、養子免疫療法が有効であることを示唆している。TDLーLAKとPBLーLAKの併用は症例2で施行中であり、昭和63年度報告書作製時点では判定できない。今後2年間で症例数を増やして成績を判定したい。
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