心房細動における新しいIABP駆動法の理論的確立とその臨床応用に関する研究

1989 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63440051
• Research Institution: Tokyo Medical and Dental University
• Principal Investigator: 藤原 等 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00212332)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 丸山 俊之 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80199934) ; 吉田 哲矢 東京医科歯科大学, 医学部, 助手
• Keywords: 大動脈内バル-ンパンピング(IABP) / 心房細動 / アルゴリズム / 左室駆出時間

Research Abstract

心房細動(af)時の大動脈圧(AP)駆出時間が先行するECG上のRR間隔、即ち左室充満時間によって制御されているとの発想の基に初年度は新しいアルゴリズムの理論的確立を図り最終年度は現在市販中のIABP駆動装置とのafモ-ドの比較を行い新しいアルゴリズムの有用性を検定した。〔方法〕初期度に確立した先行RR間隔とR波〜dicrotic notch間の2次回帰分析を基に実際の開心術後臨床例から収隶したECG・AP波形を用いてそのballoon拡張時相の至適性を検討した。また、市販5機種との比較は同一ECG・AP波形を用いてin vitroで行った。最終的には、ECG・AP波形から先に述べた2因子、即ち先行RR間隔とR〜dicrotic notch間の2次回帰分析をIABP休止時に得られる90〜140心拍より行い、この回帰式に基づいて駆動するDriverを開発した。〔結果〕RR間隔850〜900msecまでは2次回帰式で十分に良好な相関を示し臨床例3例で相関決定係数は0.6〜0.75を示した。In vitroにおけるafモ-ドの比較では今回考案したアルゴリズムが至適ball oon拡張性の上で優れており、市販機種の1/6〜3/5の誤差で作動した。即ち最も良好な追従性を示したKontronKー2000では±14.89msec、不良な追従性を示したAvcoー10で±54.44msecのズレを示したが、新アルゴリズムは±8.50msecであった。この背景のもとに本アルゴリズムを内蔵したDriverを開発した。IABP休止時に得られたECG・AP波形より2次回帰分析を行ない、直ちに先行RR間隔に対する値を設定表より得て、R波〜dicrotic notch間隔を予測し作動する機構とした。現在、費用の関係で回帰分析のみパソコンを用いているが、afモ-ド制御は基本的であるがDriver自体の制御とし、予め組立てられた回帰式による数値表を用いて先行RR測定終了後に即時作用可能とした。

Research Products

• [Publications] 坂本徹: "心房細動における新しいIABP駆動法" 人工臓器. 17. 951-954 (1988)
• [Publications] 坂本徹: "IABP駆動装置(市販5機種)の心房細動に対する追従性、アルゴリズムの検討" 循環器科. 23. 323-325 (1988)
• [Publications] Tohru Sakamoto: "A new,optimal algorithm of IABP balloon for the patients with atrial fibrillation" Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery.
• [Publications] Tohru Sakamoto: "Comparison of the algorithm of IABP balloon for atrial fibrillation in commercially available five drivers." Annalus of Thoracic Surgery.
• [Publications] Tohru Sakamoto: "A new driver with special algorithm for atrial fibrillation" Artificial Organs.