1988 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導量子干渉素子を用いた脳磁界計測の臨床検査法への応用
Project/Area Number |
63440053
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉本 高志 東北大学, 医学部, 教授 (50091765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀戸 久 工業技術院電子技術総合研究所, 主任研究官
澤田 安樹 東北大学, 理学部, 助教授 (90115577)
中里 信和 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80207753)
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Keywords | 脳磁波 / 脳波 / SQUID / 睡眠 |
Research Abstract |
1)臨床施設への脳磁計測システムの設置 脳磁界に比べてはるかに強い外部磁界や測定周辺機器から発生する磁気雑音を遮断するため、通常の電磁気シールドルームにおいて、外部ノイズ消去用のコイル(グラジオメーター)と組み合わせた超伝導量子干渉素子(SQUID)を使用することにより、わが国の臨床研究施設としてははじめて脳磁計を設置することができた。 2)周辺磁気環境の評価 脳磁計を用いてbackgroundの測定を行った。脳磁計そのものの雑音レベルとては、6Hz以上の周波数においては30fT/√<Hz>であり、充分脳磁界の測定に使えるレベルであったが、さまざまな環境雑音の影響を受けた。例えば、電源周波数(50Hz)とその高調波(100Hz、150Hz、200Hz……)、付近にある空調施設のモーターの回転による磁気ノイズ、他の研究室での蛍光灯のスイッチ開閉などである。これらは時間帯によって変化しており、実際上は日中は雑音が大きく測定に大きな影響を及ぼすことが判明した。精密測定には深夜0時過ぎが望ましい。 3)睡眠時脳活動の脳磁界計測による研究 脳波と脳磁界の同時測定システムを構築し、健康な人での睡眠活動をモニターした。従来脳磁界では測定できないとされていた入眠時睡眠紡錘波を再現性よく検出することに成功し、現在その信号源を推定すべく多点計測中である。なお、測定に用いる各種エレクトロニクス機器そのものが出す磁気ノイズも問題となることがあり、機器の配置場所に工夫が必要であった。 以上、臨床施設においても脳磁界計測システムを稼働させることは充分可能であるとの結論を得た。
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Research Products
(1 results)