1989 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導量子干渉素子を用いた脳磁界計測の臨床検査法への応用
Project/Area Number |
63440053
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉本 高志 東北大学, 医学部, 教授 (50091765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀戸 久 工業技術院, 電子技術総合研究所, 主任研究官
澤田 安樹 東北大学, 理学部, 教教授 (90115577)
中里 信和 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80207753)
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Keywords | 超伝導量子干渉装置 / 脳波 / 脳磁波 / 睡眠紡錐波 / 視覚誘発電位 |
Research Abstract |
本年度は、実際に臨床施設での測定を行った。 まず最初に、米国BTi社製のdcーSQUID(二次微分型)を用い、環境磁界のノイズスペクトルを計測しノイズ源を検討した。その結果、多くのノイズ源の停止する深夜を選び、電源周波数とその高調波に関してはノッチフイルタ-で対処することにより、簡易電磁シ-ルド室内でも脳磁界の計測が可能となった。 次に、健康人での睡眠活動を脳波と脳磁波で同時計測を行った。その結果、従来は脳磁波では測定出来ないとされていた睡眠紡錐波を再現性よく検出できた。さらに、脳波と脳磁波では睡眠紡錐波の出現時期が一致する場合と異なる場合があり、その理由として複数の睡眠紡錐波の発生源が推察された。 最後に、発光ダイオ-ドを用いたパタ-ンリバ-サル視覚刺激装置により脳波脳磁界の同時計測を行った。脳波上では、刺激より100ma後に後頭葉内側由来と思われる陽性波のピ-ク(P100)が知られているが、脳磁界上もP100に一致して明らかなピ-ク(F100)が認められた。さらに測定部位によりF100の極性の反転が起こり、後頭部の各点でF100を測定し等磁図マップを描いた結果、F100の発生源が後頭葉の内側部にあることが確認できた。 以上の如く、我々は本研究において我が国の臨床施設として初めて自発脳磁界および誘発脳磁界の測定に成功しその有用性を確認でき、今後の脳磁界計測システムの開発に際し必要な多くのパラメ-タ-を抽出できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 中里信和: "Magnetic detection of sleep spindles in normal subjects" Electroenceph Clin Neurophysiol.
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[Publications] 中里信和: "脳磁界計測の現場から" 日本生体磁気学会誌.
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[Publications] 中里信和: "Advances in biomagnetism" Williamson SJ,