1988 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体を用いた末梢神経画像診断法の開発
Project/Area Number |
63440055
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長野 昭 東京大学, 医学部, 助教授 (30111537)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇本 信博 東京大学, 医学部, 助手 (90191733)
|
Keywords | モノクローナル抗体 / 抗ニューロフィラメント抗体 / インジウム / 画像診断 |
Research Abstract |
1.使用するモノクローナル抗体の決定:抗ニューロフィラメント抗体(抗NF抗体)6種類、抗S100蛋白、抗mgelin basic protein抗体、抗エノレース抗体3種類、計11抗体を用いて兎の腓骨神経、血管、筋肉、骨髄の染色を行った。このうち神経のみに特異的に染色される抗体は抗NF抗体のうち70Kと21OKの2種類の抗NF抗体であることがわかり、染色の安定性からみて抗NF抗体70Kを用いることとした。 2.抗NF抗体とマーカーとの結合:画像抽出上のマーカーとしてInを使用することとし、これと抗NF抗体との結合は技術的に可能にあることがわかった。しかし、問題点として、神経断端と抗NF抗体の結合量が少ないとbackgroundとの識別ができない可能性があるので、その前段階として、抗NF抗体投与後神経近位断端を採取し、二次抗体よりABC法より染色し、抗NF抗体結合の状態を確認することとした。 3.抗NF抗体との結合状態:兎腓骨神経を膝窩で切断、モノクローナル抗体を用いた心筋梗塞の画像診断法にならい、大腿動脈より抗NF抗体0.2mgを投与し、毛細血管、間質、神経への抗体の移行に要する日数を3日として、抗NF抗体投与後に3日で切片を採取し染色した。現在のところ、神経切断後2週後に投与した標本の一部で軸素がわずかに染色されているが、神経全域が高濃度には染色されていない。この原因としては、神経断端の血流量が少ない、切断後再生神経の数が少ない、再生線維部のblood-nerve barrierが早期に修復される、抗NF抗体投与量が少ない、一次抗体投与後切片に対する二次抗体からの染色法に改良を要するなどがあげられる。現在これらの問題点を解決すべく、いろいろ工夫しているが、現在の方法でも一部軸素が染色可能であったことより、神経切断後、損傷部を画像的に抽出する方法は可能性があると考えている。
|