1989 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣卵の冷凍保存後の体外受精ー初期発生に関する研究
Project/Area Number |
63440061
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星合 昊 東北大学, 医学部, 講師 (50111290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 嗣和 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50213616)
角田 千恵子 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30214266)
深谷 孝夫 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (80133974)
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Keywords | 未受精卵 / 凍結保存 / プログラムフリ-ザ- / 形態的正常率 / 精子侵入率 |
Research Abstract |
未受精卵の凍結保存について、過排卵処理を施したハムスタ-の排卵直前の卵を用いて凍結保存の後、解凍を行い、形態的正常率、正常ヒト精子の侵入率を検討した。現在までに以下のことが明らかとなった。 1.酵素処理により顆粒膜細胞を除去した卵を、プログラムフリ-ザ-を用いて凍結した場合、凍結保護剤として1.5M、2MのDMSOを各々使用した結果、形態的正常率、精子侵入率ともFreshな卵と比較して特に劣ることは無かった。これにより未受精卵の凍結保存後の利用の可能性が示唆された。 2.前述の酵素処理の卵と同時に、顆粒膜細胞が付着したままの状態の卵をプログラムフリ-ザ-で凍結した。解凍後の検討では、後者の方が最終的に精子の侵入に至った卵がやや多かった。このことから、凍結時に顆粒膜細胞を付着させておくことは、卵を物理的に保護する役割を担っていると考えられ、卵操作を容易にもすることからむしろ望ましいと思われる。 3.卵凍結の際に超急速冷凍法を用いた場合、形態的正常率、精子侵入率が実験回により一定せず、安定した条件が得られなかった。操作の簡便さ等を考える上では確立したい方法だが、今後、至適条件を得るための検討を要すると思われた。 凍結前後の卵の超微細構造、顕微注入については現在検討を始めたところである。
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