1988 Fiscal Year Annual Research Report
カルパイン及びカルパスタチン遺伝子発現検査技術の開発とその病因病態解析への応用
Project/Area Number |
63440083
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村地 孝 京都大学, 医学部, 教授 (10089104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 正敏 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (40183610)
畑中 正一 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (30142300)
神奈木 玲児 京都大学, 医学部, 講師 (80161389)
戸谷 誠之 京都大学, 医学部, 講師 (70163988)
上田 國寛 京都大学, 医学部, 助教授 (00027070)
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Keywords | カルパイン / カルパスタチン / 遺伝子発現 / 病因病態解析 / 臨床検査技術 |
Research Abstract |
カルパインは細胞内Ca^<2+>依存性プロテアーゼで、カルパスタチンはその内因性特異インヒビターである。両者の遺伝子発現の動態をmRNA及び翻訳蛋白質水準で捕える技術を開発し、これを臨床検査として実用化する基礎研究を行い、各種患者についての新しい病因病態情報を収集することが本研究の目的である。 本年度は本研究計画の初年度に当り、まず基礎的生化学的研究と、臨床検査に関する基礎技術の開発研究を実施して次の成果を得た。 1.カルパスタチンの構造機能相関に関する研究は、カルパスタチンのDNAプローブを得るために不可欠で、このためカルパスタチン全一次構造解析と、その部分ペプチドのカルパイン阻害作用の研究を行ったカルパスタチンには4つの相同ドメイン構造が存在し、その単独ドメインでも阻害活性を現わすことが明らかとなった。 2.病態モデルとしてヒト造血系細胞、特にTリンパ球に関して、成人T細胞白血病レトロウイルス(HTLVーI)感染有無によるカルパイン及びカルパスタチンの遺伝子発現の様相を研究した。HTLVーI感染細胞では例外なくカルパインII及びカルパスチタンが強く発現していることが明らかとなった。 3.ヒト・カルパインI及びIIに対して、そのアミノ酸配列から予想される相異なったエピトープを認識するモノクローナル抗体を作製した。カルパインIに対しては極めて特異性の高い抗体が得られた。 4.ヒト・カルパスタチンの全体分子及びその阻害活性ドメインに対するモノクローナル抗体の製作を進め、エピトープを異にする3種の抗体を得た。 5.ヒト・カルパイン小サブユニットのDNAプローブを作製して、特異性を確認した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 村上俊男: Journal of Biochemistry. 103. 168-171 (1988)
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[Publications] 高野恵美子: Biochemistry. 27. 1964-1972 (1988)
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[Publications] 高野恵美子: Biochemistry International. 16. 391-395 (1988)
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[Publications] 福井一郎: Biochemistry. 27. 3260-3267 (1988)
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[Publications] 安達喜文: Biological Chemistry Hoppe-Seyler. 369(補). 223-227 (1988)
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[Publications] 牧正敏: Journal of Biological Chemistry. 263. 10254-10261 (1988)
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[Publications] 村地孝 編: "臨床診断と先端技術" カレントテラピー, 303 (1988)