1988 Fiscal Year Annual Research Report
非観血的局所心筋機能測定法の開発とそれによる心筋変性疾患の病態生理学的研究
Project/Area Number |
63440090
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 元直 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (40006094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 茂雄 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (00016784)
仁田 新一 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (90101138)
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Keywords | 超音波パルスドプラ法 / 心臓腔内血流速度分布 / 血流速度ベクトル分布 / 流線分布図 / 血流動態解析システム |
Research Abstract |
本研究の目的は定量的に求めた心臓腔内血流速度分布値を流体力学の理論を適用して処理し心室腔内に生ずる3次元的なエネルギー分布と局所的血流性状の変化とを導きこれによって局所心筋機能を定量的に測る方法の開発を行ない、非観血的にポンプ機能も評価できる方法を実現することである。この目的を達成するため本年度では本研究目的を満足させるに足る性能を有した血流動態解析システムを研究開発すると共に流体力学的諸パラメータを2次元分布図として求めることができるアルゴリズムの確立を計った。その結果、(1)超音波パルスドプラ法を基礎として一走査面上の多数点で心臓腔内血流速度値を検出できる超音波ドプラ信号検出部および検出測定された血流速度値をデジタル的に処理し、我々の考案したアルゴリズムによって動作させることができ流体力学的諸量を2次元分布図として表示できる信号処理部とを主体とした血動態解析システムの仕様を決定して試作した。(2)試作完了後正常例を対象としてシステムの動作を検討した。その結果血流速度値の2次元的検出、血流速データの60画面1秒の速度での取込みとその記憶、読出し動作の安定性およびデータ処理能力について以下の2点を除けばほぼ満足できる結果であった。(a)血流速度情報と共に取込むべき心電信号の扱い、(b)実時間的にRAMに取り込まれたデータのハードおよびフロッピーディスクへの転送時間。の2点に問題があったがこれらについては引き続き検討し次年度中に解決の予定である。(3)血流速度データから流体力学的諸量を導出するアルゴリズムの開発研究については(a)一走査面上での等速度分布図、(b)2次元流線分布図および(c)2次元流速ベクトル分布図を求めることのできるプログラムが開発できた。正常例を対象に検討した結果良好な成績が得られた。以上の如くアルゴリズム開発については不十分であったが本年度の研究によって所期の成果が得られたと判断された
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[Publications] 田中元直 他: Japanese Circulation Journal(Proceedings of 53 Annual Meet.1989). 268 (1989)
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[Publications] 田中元直: Journal of Ultrasound in Medicine. 7ー10. 69-70 (1988)
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[Publications] 田中元直: Journal of Ultrasound in Medicine. 7ー10. 180 (1988)
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[Publications] 大槻茂雄: Journal of Ultrasound in Medicine. 7ー10. 194 (1988)
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[Publications] 大槻茂雄: Journal of Ultrasound in Medicine. 7ー10. 261 (1988)