1988 Fiscal Year Annual Research Report
血管障害の発生および進展に果たす血管壁レニン・アンジオテンシンの役割り
Project/Area Number |
63440091
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮森 勇 金沢大学, 医学部, 講師 (40142278)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高崎 英昭 金沢大学, 医学部付属病院, 医員
森瀬 敏夫 金沢大学, 医学部付属病院, 助手 (40191027)
|
Keywords | レニン / アンジオテンシン / 高血圧 / 血管壁 / ラット |
Research Abstract |
近年、腎以外の組織にレニンーアンジオテンシン(RーA)系の各構成要素が発見され、その血圧調節に果たす役割りが注目されている。そこで、各種実験高血圧ラットを用いた腸管膜動脈灌流実験において、血管壁アンジオテンシンII(ANGII)産生を測定し、さらに局所におけるアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)の効果についても検討を加えた結果、以下の結論が得られた。(1)灌流液抽出検体において測定されたANGIIが、高速液体クロマトグラフィーにて同定されたことより、血管壁においても、ANGIIが産生されていることが証明された。(2)両側腎摘出ラットにおいても、コントロール群と同程度の血管壁ANGII産生が認められたことより、血管壁RーA系は、腎RーA系と独立して機能していることが示唆された。(3)両側腎摘出ラットでは、ACEI投与にて有意な降圧効果が認められ、血管壁ANGII産生も低下したことより、本モデルの高血圧発症に、血管壁RーA系が関与している可能性が示唆され、さらにACEIは、血管壁RーA系に対しても抑制効果を有することが示された。(4)糖質コルチコイド高血圧ラットは、ヒトにおけるクッシング症候群のモデルであるが、ACEI投与にて有意な降圧効果が認められ、本症の高血圧発症に、RーA系の亢進が関与していることが示された。(5)鉱質コルチコイドー食塩高血圧ラットは、低レニン性高血圧症のモデルであるが、血管壁ANGII産生、血漿ANGII濃度伴に低下しており、ACEI投与にても、血管壁ANGII産生は低値のまま変化なく、充分な降圧も認められなかったことより、本ラットの高血圧発症に、血管壁RーA系の関与は少ないものと考えられた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 越田英夫,宮森勇,池田正寿,斉藤善蔵,竹田亮祐: 日本内分泌学会雑誌. 64. 1199-1208 (1988)
-
[Publications] I.Miyamori;T.Matsubara;Y.Takeda;H.Koshida;R.Soma;R.Takeda: Endocrimil Jpn.