1990 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフィ-ドバックによる精神生理反応の相互作用とその心理機能に関する研究
Project/Area Number |
63450020
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
平井 久 上智大学, 文学部, 教授 (40053516)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩橋 俊哉 上智大学, 文学部, 助手
廣田 昭久 上智大学, 文学部, 助手
|
Keywords | バイオフィ-ドバック / 自律訓練法 / 皮膚温 / 精神的負荷 |
Research Abstract |
従来より弛緩訓練法として行われている、皮膚温のバイオフィ-ドバック法と自律訓練法とを用いて、末梢皮膚温の上昇制御を行わせ、これらの生理学的反応を精神的負荷状況から分析した。自律訓練法では、テ-プを用いた他者教示による両腕の温感公式を採用し、受動的注意集中を行うよう教示した。皮膚温バイオフィ-ドバック訓練では、指先の皮膚温を聴覚フィ-ドバック刺激を手掛りとして上昇するよう自己制御させた。そして、バイオフィ-ドバック訓練は自律訓練よりも、より精神的負荷が高い状況であると仮定された。 名の被験者を上記2訓練群に分け、それぞれの訓練を行った。訓練は1試行4分で計4試行行ない、訓練時の心拍、呼吸、前頭筋筋電図、指先皮膚温が同時に記録された。また、訓練前後における心理的変化が測定された。 その結果、バイオフィ-ドバック群においては訓練が進むにつれて制御成績は低下し、自律訓練群においてはこの様な現象は見られなかった。さらに、バイオフィ-ドバック群においては試行開始後、皮膚温は低下をし、その後上昇へ転じるという二相性の変化パタ-ンを示し、このパタ-ンは訓練が進むにつれて消失した。一方、自律訓練群においては試行中の皮膚温の変動は見られなかった。他の生理学的反応においては、訓練法における差は見られなかった。 これらの末梢皮膚温の結果は、定位反応以外の要因が関係していることを示し、バイオフィ-ドバック訓練群における精神的負荷要因の存在が示唆された。
|