1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63450026
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小田 利勝 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (90124536)
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Keywords | 社会的適応 / 高齢者 / 老後生活 / 高齢化社会 / 地域社会計画 / 老人扶養 / 社会的合意 / ノーマライゼーション |
Research Abstract |
昭和63年度においては、本研究の初年度計画である既存交献や各種資料の収集とそれらのレヴューを通じて、高齢者の社会的適応に関する仮説とモデルについて検討した。それらの成果の一端は「高齢者の扶養と居・別居問題」および「高齢化社会における住生活問題と高齢者の居住地選択」と題してまとめた(それらは、『徳島大学社会科学研究』第2号に発表した)。それらに加えて、一部研究者には、「高齢者の地位・役割の変化と社会的展応」、「高齢化社会の家族政策」と題する2つの草稿を配布し、批評を求めた。 適応モデルに関しては、心理学的観点からの研究成果は内外ともに少なくないが、個人のパーソナリティに適応の正否が帰せられてしますことから、社会的・外的条件や環境条件を操作可能な変数として計画論的に高齢化社会の課題を考える上での有用性が減じてしまう。レヴューした既存研究の中では、アチュレー(Robert C.Atchley)がSocial Torces and Agingの中で論じた適応モデルが、そうした点を考慮した優れたモデルであるといえる。しかし、記述モデルとしては優れてはいるが、データの解析によって高齢者の適応行動を分析するための実証モデルではないので、現在、アチュレーの議論を参考にしながら、適応モデルの構築に力を注いでいるところである。 上記の作業に合わせて、高齢者の行動観察を行ない、スチール写真、VTRにおさめた。編集作業が終っていないが、一つの試みとして、視覚的な資料づくりは今後もつづけ、現実の計画行政の検討材料として有意義なものを整備したいと考えている。 なお、大学生200名程度を対象とする高齢化問題に関する調査を実施し、現在、集計作業に入っているが、これは、来年度に試みる本調査に向けた予備的調査としての性格を持っている。
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[Publications] 小田利勝: 徳島大学社会科学研究. 2号. 175-199 (1989)
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[Publications] 小田利勝: 徳島大学社会科学研究. 2号. 201-223 (1989)
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[Publications] 小田利勝: (予)社会老年学.
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[Publications] 小田利勝: "(予)「高齢化と家族生活」飯田哲也 編著『家族生活と地域政策』新版" 多賀出版, (1989)