1989 Fiscal Year Annual Research Report
新しいメディア政策をめぐる地域のコンセンサス形成過程に関する実証的研究
Project/Area Number |
63450030
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
林 茂樹 中央大学, 文学部, 教授 (20054348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 知雄 中央大学, 文学部, 名誉教授 (80054922)
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Keywords | 地域情報化 / 情報政策 / 地域情報 / 高度情報(化)社会 / 地域メディア / CATV / MPIS |
Research Abstract |
平成元年度は、第2年目に入るため、前年度で得た資料やデ-タを下に、地域社会の情報化が具体的にどのように進み、かつ又各地域の特性にあわせて、いかなる情報政策が具体的に進行しているかを、主として現地調査によって知見を得ることに努力した。 国の地域情報化政策は、各省庁が様々な計画を打出し、それぞれに指定地域やモデル地域を設定している。しかし、現実の地域情報化は、必ずしも具体化された形で進行していないのが実態である。しかし、今年度、数多くの地域を調査する過程で、主として農水省の進めてきた構造改善事業の一環として、すでに10年余の歴史をもつMPIS(多目的情報システム)は、農村を中心とした情報化がかなり当該地域に密着していることがわかった。 あわせて、平成元年度から、自治省が新たに地域情報化推進計画をたて、都道府県、市町村に情報化を呼びかけたことが、当該自治体に新たな刺激をもたらし、職員の関心も徐々に上向きになりつつあることが指摘できる。その点では秋田県大内町や群馬県伊勢崎市では、具体的作業に入りつつあることを現地調査により明確化したが、とりわけ、農水省のグリ-ントピア計画の指定を受けた徳島県の事例は、徳島市国府町、石井町、土成町、大俣農協がすでにCATVを中心とした多機能型地域情報を手がけつつあり、今後、回線を結びつけて広域的なCATVネットワ-ク・サ-ビスを計画中である。この事例は、国一県一地元が一体となってメディア改策を形成してゆく最初のモデルとなろう。その意味から期待がもてるが、地域のコンセンサス形成については、必ずしも一様ではないことから、次年度以降の更なる調査研究によって、その中味を客観的・科学的に把握したい。
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[Publications] 林茂樹: "新しい情報政策の現状と展望" 中央大学文学部紀要. 137号. 7-24 (1990)
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[Publications] 林茂樹: "地域情報化政策の展望と問題" 総合ジャ-ナリズム研究. 132. (1990)
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[Publications] 林茂樹他: "[新版]地域メディア" 日本評論社, 373 (1989)