1989 Fiscal Year Annual Research Report
中学生・高校生のための英語学力診断テストの開発と英語習得に関する研究
Project/Area Number |
63450061
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三浦 省五 広島大学, 教育学部, 文部教官助教授 (40033576)
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Keywords | 英語学力 / 文型・文法事項 / 英語学力テスト / 英語教科書 / 和文英訳 / 誤答 / 選択肢 / 多肢選択 |
Research Abstract |
本研究は、昭和63年度から平成元年度に継続する2年計画の研究で英語学力の中心的構成要素である文型・文法事項に関する中学生および高校生の学力を評価するテストの開発の基礎的研究を目的としている。 初年度には、中学校用英語検定教科書Sunshine English CourseおよびNew Horizon English Courseから取捨選択した文型・文法事項を中心に生徒の「和文英訳例集」を作成した。これは、生徒の英語表現や誤答の種類と頻度を求めたもので、学力テスト作成の基礎資料である。 今年度は、この「英語教育コ-パス」と呼ぶべき「和文英訳例集」をさらに充実させるため、中学校・高等学校の生徒からの反応を継続して入力し、充実を図る一方、これに基づいて、中学1年生用、中学2年生用、中学3年生用、高等学校1年生用[英語I]および高等学校2年生用[英語II]の5種類を作成した。生徒からの和文英訳の反応が多様性に富んでおり、5肢選択形式の文型・文法テストとし、中学生、高校生に実施した。テストの選択肢(錯乱子)の決定に際しては、生徒の和文英訳例が極めて有益であり、妥当性の高い選択肢は必ずしも教師の経験と直感からだけではなく、生徒からの反応を客観的な資料とし、それを判断のひとつの基準として作成するべきであると思われる。 テストの実施は、当初から十数名の先生方に依頼を予定していたが、実施時期の遅れからテストの解答を十分に回収するに至らなかった。したがって、日本の中学生・高校生の全国平均というような具体的数字を算出するに至らず、ある特定の学年・クラスの英語習得の傾向が、ある程度明らかになったに過ぎないものである。教授法・指導技術の記述はないにしても、和文英訳や多肢選択方式のテストの結果から、生徒の英語学力(文型・文法力)のある程度の傾向と特徴は把握できたものと考えている。
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