1988 Fiscal Year Annual Research Report
企業の資金調達および運用の多角化に伴う会計上の諸問題
Project/Area Number |
63450087
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大塚 宗春 早稲田大学, 商学部, 教授 (60063749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 義州 早稲田大学, 商学部, 助教授 (80140739)
大澤 章 早稲田大学, 商学部, 助教授 (40063789)
佐藤 紘光 早稲田大学, 社会科学部, 教授 (40063747)
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Keywords | 新金融商品 / 先物取引の会計 / 特定金銭信託の会計 / 財務会計基準審議会 |
Research Abstract |
資金調達および運用の多角化に伴い、新たに開発された金融商品および金融取引、一般に「新金融商品」とよばれているものの会計処理および表示は、その構造・仕組みが複雑であるため企業間に差異がみられるが、本研究は「新金融商品」の会計処理・表示の実態の解明とその理論的探求を行うことに目的がある。本研究はかかる「新金融商品」の会計処理・表示の実態を有価証券報告書の調査と主要企業のインタビューを通じて行うとともに欧米各国の状況の文献による調査により行う。昭和63年度は「新金融商品」のうち特に特定金銭信託と金融先物取引について有価証券報告書による調査を行った。特定金融信託については開示が行われており、その基本的類型は4つ、すなわち現金及び預金に含め、主な資産・負債及び収支の内容でその金額を明示しているもの、現金及び預金に含め、注記でその旨及び金額を明示しているもの、特定金銭信託の科目で独立掲記しているもの、短期特定金銭の信託と長期特定金銭の信託とに区別して掲記し、その明細を主な資産・負債及び収支の内容で明示しているもの、であることが分った。金融先物取引については、昭和60年から債券先物取引が、昭和63年から株価指数先物取引が実施されているが、先物取引に係わっていると思われる会社の有価証券報告書を調査しても、先物取引に関する開示は調査した範囲内では見い出すことができなかった。先物取引残高の開示は企業リスクの判断の上からも重要であるので、実態の開示の改善が望まれる。 欧米各国の状況については、特に米国の財務会計基準審議会の公開草案「金融商品の開示」について試訳をし、その内容を検討した。特に本草案により開示が要求されている信用リスク、将来の現金収支、利子率、市場価額に関する情報は投資家の意思決定に有用な情報として高く評価されると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大塚宗春: 企業会計. 134巻3号. 373-389 (1988)
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[Publications] 大塚宗春: 会計. 41巻1号. 98-103 (1989)
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[Publications] 広瀬義州: "国際財務会計基準" 中央経済社, 1-288 (1988)
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[Publications] 広瀬義州: "FASB財務会計の諸概念" 中央経済社, 1-457 (1988)