1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63450089
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
古阪 秀三 京都大学, 工学部, 助教授 (60109030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 和義 京都大学, 工学部, 助手 (20194029)
古川 修 工学院大学, 工学部, 教授 (70026350)
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Keywords | 建築プロジェクト / マネジメント / 国際比較 / 確実性 / 調整業務 / コンストラクションマネジャ- / 契約方式 / プロジェクト組織 |
Research Abstract |
今年度の実態調査、デ-タ収集及び文献研究から以下のことが明らかになった。 (1)各国での建築プロジェクトマネジメント方式の差異は地域的事情に加えて、工事の組織と管理上のいくつかの基本型の存在に起因している。建築主主導型は英国で一般的であり、設計者主導型は米国で、また、施工者主導型は日本で主流である。さらに欧米ではコンストラクションマネジャ-(CMr)主導型(あるいはマネ-ジングコントラクト型)のタイプが増加している。これらの型の違いは、(1)各主体の品質責任の軽重、(2)サブコントラクタ-編成上の契約方式と社会的慣行、(3)組織の複雑性、等が関係している。 (2)プロジェクトの性格・特徴によってCMr主導型には多くの変形が出現している。マネ-ジングコントラクト(MC)型もその1つといえる。CM方式の基本型は専門工事業と施主が直接工事契約を締結し、それをCMrが補助する。一方MC方式ではMCrが業者選定から契約までを直接に行うものである。施主にとってMC方式の利点は専門工事業者との契約のわずらわしさがないこと、責任が一元化できることなどがあげられる。 (3)各国の差異を、職種別ユニオンの種類、それらの雇用の仕方、仕事の範囲、契約約款上の設計者・施工者の責任分担、PMrの立場、業務等の点で行った。その検討をふまえて建築主、設計者、ゼネコン、専門工事業者などプロジェクトを実施する組織の理念型を作った。そしてその間での調製業務のありよう、不確実性低減方法、生産情報の一貫性の付加など理念型が変化する要因を整理し、それらの要因によってプロジェクト実施組織が変化していく過程をモデル的に検討し、各国の基本型に至る過程の説明を試みた。 (4)最後に国際比較研究の必要性と可能性について整理した。
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Research Products
(1 results)