1990 Fiscal Year Annual Research Report
発育期における衝撃緩衝能の発達に関する運動学的検討
Project/Area Number |
63450095
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
宮崎 義憲 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90046136)
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Keywords | 発育期 / 着地衝撃緩衝能 / 地面反力 / 筋電図 / 16mm映画分析 |
Research Abstract |
本年度は、過去2年間に実施した小学生から大学生に至る着地衝撃緩衝能の実験結果について、総合的に分析・検討し、そのまとめとして報告書を作成した。 この報告書に研究成果の詳細は記載されているが、ここにその要旨を概要する。本研究の目的は、発育期にある児童・生徒が一定の台高からとび降り動作を行った際、その着地時における衝撃緩衝能がどのように年齢発達的に変化するかを、16mm映画、筋電図および地面反力記録をもとに、運動学的に分析・検討し、発育期における着地衝撃緩衝能の発達的特徴を明らかにすることであった。 被検者は、6、8、10、12、14、16歳および大学生の各年齢群男女各5名合計70名とした。とび降り動作の試技は、各自の身長の30%あるいは60%の台高から、両手を体側につけたまま、フォ-スプレ-ト上に、できるだけ柔く着地させた。その着地の際における3方何地面反力、下肢筋活動ならびに衝撃緩衝動作については、3方向地面反力計、筋電計ならびに16mm映画を用いて分析検討した。その結果、着地衝撃緩衝能の指標である体重当り最大衝撃力は、男女とも10歳までは加齢的に低下を示したが、12・14歳で一定あるいは上昇、そして16歳以後で再び低下の傾向を示した。また、着地から最大衝撃力出現までの最大衝撃時間は、逆に10歳までは加齢的に上昇、12・14歳で低下、そして16歳以上で再び上昇傾向を示した。このことから、着地衝撃力の大小には、最大衝撃出現時間の長短が大きく影響するものと考える。以上の結果より、発育期における着地衝撃緩衝能は10歳頃までは加齢的に発達するが、12〜14歳の思春期において一時的に低下し、16歳以後再び発達を示すものと考える。
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Research Products
(2 results)