1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460008
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
井上 允 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (10151622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 博人 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (50012878)
坪井 昌人 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (10202186)
春日 隆 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (70126027)
稲谷 順司 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20134629)
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Keywords | SIS受信機 / スニアエフ・ゼルドビッチ効果 / 銀河団 / ハッブル定数 / 宇宙論 / 連続波観測 |
Research Abstract |
高精度・高感度の連続波観測における受信観測システムについて、最終的な調整および総合的なシステム検討を行なった。また、従来のタイプの受信機が45m鏡で定常的に使用されており、これと比較して本研究で製作した受信機システムの有効性が、本研究の様な場合、すなわち広い周波数の同調幅を必要とせず決められた周波数で高感度・高性能を要求される場合、実証された。これらは以下のようにまとめられる。 1.受信機の性能は雑音温度100Kという、周波数92GHzでは世界的なレベルに到達した。 2.上記性能を断熱膨張ピストンを用いない冷凍機で達成したため全く機械的な振動がなく、特に本研究のように安定性が要求される場合には実効的な性能はさらに大幅に向上する。 3.ミリ波帯においては、大気のゆるぎによる雑音が観測の精度を決定する大きな要因である。さらに望遠鏡の仰角により光学系の特性が微妙に変化する。観測はこの2点に特に注意が重要である。 4.空間的なゆらぎに対しても、1分角以下でも大気の雑温レベルは直線的ではない。従ってビ-ムスイッチングは目的の観測点の両側になるべく近く取ることが望ましい。 観測性能を極限まで追及する本研究のような観測は、その成果は上記のように天候に大きく左右される。共同利用観測が行なわれている間の間隙に観測時間が割り当てられるが、残念ながら天候に恵まれず現在までに検討に足るデ-タは得られていない。実際、いわゆる「測光観測」の条件にあう天候は1年のうちの冬期の非常に限られた時期しかない。さらに高性能化の改良を行ない、次の冬の観測に是非期待したい。 将来は、外国の気象条件のよいミリ波望遠鏡に本受信機を取付けて観測することも検討課題であろう。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Inoue: "High Freguency Observations of a Large Faraday Rotation in a Cluster" IAU Sympo.No.140. 486-486 (1990)
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[Publications] J.Inatani: "SIS Receiver Development at Nobeyama Radio Observatory" Proceedings on Submillimetre Astronomy. 73-74 (1990)
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[Publications] H.Tabara: "Radio Structure of the Central Region of Hyd A at 22 GHz" Publ.Astron.Soc.Japan. 42. L19-L25 (1990)
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[Publications] G.B.Taylor: "VLA Observations of the Radio Galaxy Hydra A (3C218)" Astrophys.J.360. 41-54 (1990)
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[Publications] R.T.Schilizzi: "Flux Density Measurements at 43 and 92GHz on CSS Sources" Proceedings on Compact SteepーSpectrum and GHzーPea Red Spectrum Radio Sources. 42-43 (1990)
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[Publications] 稲谷 順司: "ミリ波・サブミリ波天文学の新しい発展" 学術月報. 43. 381-386 (1990)