1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 正二 京都大学, 理学部, 教授 (80011534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 省五 京都大学, 理学部, 助手 (80115790)
石沢 俊亮 京都大学, 理学部, 助教授 (10025398)
斎藤 衞 京都大学, 理学部, 助教授 (90012856)
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Keywords | 相対論的降着円盤 / 遷音点 / 不安定性 / 振動 / エピサイクリック振動数 / コルゲイション波 |
Research Abstract |
1)前年度の研究で我々は、等温な降着円盤内縁の遷音点近傍は、等温摂動に対して不安定であることを見い出した。この不安定性はX線星や活動銀河核(AGN)の時間変動と関連して大変重要であると思われるので、当該年度では前年度の成果を発展させることを行った。 第一に、不安定性は非線型の段階でどのような振舞いを来すかを調べるために、数値シミュレーションを行った。これによって得られた結果のうち注目すべき点は、振動が長周期の変動を受けることである。これは、エピサイクリック振動数の壁のために波が反射されることと関連しているようで、この長周期の変動がX線星で知られている準周期振動(QPO)の周期と近いことは興味がある 第二に、より一般的な降着円盤の場合でも、遷音点近傍は不安定であるかどうかを調べるために、等温近似をはずした通常のα粘性の場合について、降着円盤内縁の遷音点近傍の線型安定性を調べた。その結果、攝動の場合を一般化した形で不安定性の条件が得られ、等温攝動の場合と同様、αがある臨界値より大きければ不安定であることが分かった。今後はこの一般的な場合について、数値シミュレーションを行うことが課題である。 2)X線星は、一般に激しい時間変動を示すが、その変動のスペクトルの主成分は、降着円盤の力学的時間尺度に比べ、数桁も低い振動数である。したがって、このような低振動数の振動を降着円盤が持つことができるかどうかは、興味ある問題である。この問題について検討した結果相対論的円盤の場合、一本腕のCorrugation波が、この性質を満たすことを見い出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] R.Matsumoto: Preceeding of the YAMADA Conference XX on Big Bang,Active Galactic Nuclei and Supernovae.20. 353-354 (1988)
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[Publications] S.Kato: Proceeding of the YAMADA Conference XX on Big Bang,Active Galactic Nuclei and Supernovae.20. 373-374 (1988)
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[Publications] S.Kato: Publ.Astronomical Socity of Japan. 40. 709-727 (1988)
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[Publications] M.A.Abramowicz: Astrophysical Journal. 336. 304-312 (1989)
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[Publications] S.Kato: Publ.Astronomical Society of Japan. 41. (1989)