1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 紘一 東京大学, 原子力研究綜合センター, 助手 (70108637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 博 東京大学, 理学部, 助手 (40191291)
大橋 英雄 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (40134647)
今村 峯雄 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (10011701)
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Keywords | タンデム加速器 / 加速器質量分析法 / ビームモニター法 / 高精度化 / 低バックグラウンド化 / ^<10>Be / ^<14>C / ^<26>Al |
Research Abstract |
従来の東大のタンデム加速器によるAMSの特徴は、ビームモニター法という特殊な技法による測定精度の高さにあった。この研究の目的は、AMSによる測定精度を決定する大きな要因の一つであるイオンビームの変動を完全に監視する方法を確立し、又、バックグランドイオンを減少させることにより、測定精度および感度を更に向上させるというものであった。 具体的には、(1)、^<10>Be,^<14>C,^<26>Al等の主イオン入射時における他の同位元素及び分子イオン電流を同時に精密測定して、イオン源からのビーム量と分子イオン量の変動を監視できるようにする。(2)、加速された主イオン検出時のバックグラウンドとなる妨害イオンを除去しバックグラウンドの減少を図るという計画であった。 (1)を達成するために、負イオン分析電磁石用の広質量域分析管、2組の位置可動のスリット、ファラデーカップおよび主ビーム電流量測定用のファラデーカップを設計制作した。又、上記の装置は負イオン入射の高電圧レベルの上に乗っているので、2種類のイオン電流を既存の高精度電流計により測定し、オプティカルファイバー等により読み取るシステムをマイクロコンピューターを使って構成し、データ取得の自動化を行った。この結果、AMS測定中の負イオン変動及び分子イオン変動量を完全に測定することが出来、精度の向上が可能となった。又、(2)を達成するために、二次元波高分析装置を購入し既存の重イオン位置検出器の出力を解析したところ、妨害バックグラウンドイオンの多くが主イオンとは異なる位置で検出されていることが判明したので、2次元データ上でその大部分を除去することが出来、バックグランドレベルの低下が可能となった。1)については次年度に継続して具体的試料を使ってデータを蓄積する予定であり、2)のバックグラウンド低下については二次元データに基づいて妨害イオン除去システムを作製する予定である
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