1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 伸夫 東京大学, 原子核研究所, 助手 (70193208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 彰一 東京大学, 原子核研究所, 助手 (90013432)
川上 宏金 東京大学, 原子核研究所, 助手 (50013412)
野村 亨 東京大学, 原子核研究所, 教授 (60087393)
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Keywords | ECRイオン源 / 不安定原子核のイオン化 / 多価イオンと高イオン化効率 / オンライン同位体分離器 / 永久磁石のみを用いてミラー磁場 |
Research Abstract |
この研究の目的は、安定元素の多価イオン源として実績のあるECRイオン源をオンライン同位体分離器(ISOL)用のイオン源として適用し、不安定原子核の多価イオンの大量生成を目指そうとするものである。昭和63年度はISOL用として適合するECRイオン源の設計及びミラー磁場の計算を行ない、平成元年度にこのイオン源のオフライン及びオンラインテストを行なうという、当初の予定通り進めている。今年度は、このECRイオン源の基本設計を検討し、最終仕様まで進めた。 我々のイオン源の基本設計の特徴と、その理由は以下の通りである。 (1)ECR共鳴の周波数を2.45GHzとする 安定元素のイオン源において、1価2価用大強度イオン源で2.45GHz、多価イオン源では6.4GHz以上のマイクロ波が主流である。我々のイオン源は、従来のISOL用イオン源が2価イオンの生成量が通常極めて小さく、1価イオンも特定の元素を除き大量生成が難しい事と考慮し、まず2価イオンの生成、及び1価イオンの大量生成を目指す事とし、2.45GHzを用いる事とした。取り扱いも2.45GHzの方が手軽であり、当初のテストに用いるのにふさわしい。 (2)ミラー磁場を永久磁石のみを用いてつくる。 当初我々はソレノイドコイルを用いてミラー磁場をつくるつもりで検討を進めていた。しかし、最近、永久磁石のみを用いて、省パワー、コンパクト化をはかったイオン源が発達してきた。これはISOL用イオン源として重要な要素である。ソレノイドと永久磁石の両方を並行して検討し、永久磁石と磁性体の使用によりミラー磁場をつくる事にした。 このイオン源は予定通り平成元年度にまずオフラインテストでガスに対するイオン化効率をテストし、その後ISOLに取付け、不安定核のイオン化効率をオンラインテストで調べる予定である。
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