1988 Fiscal Year Annual Research Report
半導体中の不規則性に局在した励起子のフェトム秒領域の緩和過程
Project/Area Number |
63460021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
南 不二雄 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (30200083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅香 修治 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (00167876)
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Keywords | フェムト秒分光 / 局在励起子 / 位相緩和 / ダイヤモンドアンヴィル / インコヒーレントパルス分光 / GaAs / AlAs超格子 / 層状化合物半導体 |
Research Abstract |
超短時間分光システム、および低温高圧装置を開発し、半導体中の不規則性に局在した励起子の超高速緩和過程を明らかにすることを目的として研究を進めている。当該年度に得られた結果を列記する。 1.受動モード同期色素レーザを用いたフェムト秒パルスレーザシステムを作成した。このシステムにより200フェムト秒以下の分解能で高速緩和過程の研究が可能となった。 2.インコヒーレント光を用いて分布数緩和時間を測定する、2つの新しい分光法を開発した。これらの方法を用いることにより、半導体の励起状態の分布数緩和過程がフェムト秒の流域で観測できるようになった。 3.フェムト秒パルスを用いた縮退4波混合法によりGaSeの局在励起子の位相緩和時間を測定した。位相緩和時間は30K以下で3ピコ程度、それ以上ではほぼ直線的に短くなっている。この結果はGaSeでは局在励起子の位相緩和は30K以下では不純物散乱、それより高温ではフォノン散乱過程により支配されていることを示している。 4.超短光パルスを用いたTOF法により、半導体中を透過する際の、光パルスの遅延時間を測定した。その結果GaSeの励起子線内で光の速度は10分の1程度に遅くなっていることが判明した。この遅延は励起子線の吸収飽和によっていることを理論的に示した。またパルスの伝播遅延量は温度の上昇にともない減少することも判った。この結果は縮退4波混合の結果と矛盾がない。 5.ダイヤモンドアンヴィルを用いた低温高圧装置を作製した。この装置と超短パルスレーザシステムを用いて、GaAs/ALAs超格子及び混晶系の励起子糸の動特性を調べ、X-Γ散乱の励起緩和過程に及ぼす影響を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fujio,Minami: Ultrafast Phenomena. 6. 229-232 (1988)
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[Publications] Shuuji,Asaka: Ultrafast Phenomena. 6. 375-377 (1988)
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[Publications] Fujio,Minami: Proceedings of the International Conference on Physics of Semiconductors. 19. (1988)
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[Publications] Fujio,Minami: Applied Physics Letters. 54. 978-980 (1989)
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[Publications] Fujio,Minami: Semiconductor science and technology. 4. (1989)
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[Publications] Fujio,Minami: Journal of Luminescence.