1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460028
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Research Institution | Department of pure and applied sciences, University of Tokyo. |
Principal Investigator |
江尻 有郷 東京大学, 教養学部, 助手 (70012383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 和道 神戸大学, 教養学部, 助教授 (00134403)
波田野 彰 東京大学, 教養学部, 助手 (10012395)
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Keywords | アリカリハライド多層膜 / 量子井戸励起子 / 閉じ込め効果 / 界面混晶 / 界面ミスマッチ / 井戸層励起子 / バリア層励起子 / 多層膜キャラクタリゼイション |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて本年度も、アルカリハライド多層膜の量子井戸励起子に関して次のような新しい知見が得られた。1.多層膜の各層ごとの適温熱焼鈍により界面混晶を減らすことが出来たこと。2.井戸層励起しの過大なブル-シフトを、界面混晶による量子井戸ポテンシャルの方形からsin形への変形という仮説で説明した。予想される有効バンドギャップの井戸層での増加とバリア層での減少は、閉じ込め効果が期待されず純粋に界面混晶効果のみを示す二層膜(KC1 200A 上にKBr100Aを重ねた)吸収スペクトルで井戸層励起子のブル-シフト及びバリア層励起子のレッドシフトを観測し、その仮説の正当性を示した。3.格子定数の相違が少ないRbC1(バリア)-KBr(井戸)多層膜で各層ごとの適温熱焼鈍により界面ミスマッチや界面混晶のない多層膜構造の実現に成功した。 以上のような知見より、井戸層励起子のブル-シフトは通常、閉じ込めによる励起子運動エネルギ-増加の効果と、界面混晶による有効バンドギャップ増加の効果の両方を含んでいることが判明した。界面混晶のない十分薄い井戸層の多層膜を実現し閉じ込め効果のみによるブル-シフトを観測するることを目下実行中であり、その成功まであと一歩という所にきているといえよう。一方、多層膜で起こる井戸層励起子バンド立ち上がりの急峻化はBasterらが理論的に示した、励起子半径の十倍の井戸中でも波動関数の閉じ込めが起こることに対応していると思われる。現時点では、井戸層励起子、バリア層励起子及び界面混晶層励起子が区別されて測定されているので、多層膜構造として井戸層-界面混晶層-バリア層-界面混晶層-井戸層---の繰り返しを現実的構造として物理的描像を描いている。 多層膜キャラクタリゼイションの実験槽は目下超高真空テストを進めており、近じかその威力を発揮する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 江尻有郷,中川和道: "Quantum Well Excitons in RbCI-KBr and KC1-KBr Multilayer Structures" Activity Report of Synchrotror Radiation Laboratory ISSP.The University of Tokyo. 1988. 19-20 (1988)
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[Publications] 江尻有郷,中川和道: "Absorption Spectra of Quantum Well Exciton in Alkali Hide Multilayer Structures" UVSOR Activity Report.UVSOR.Institute for Molecular Science. 1988. 42-43 (1988)
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[Publications] 江尻有郷,中川和道: "Optical Absorption Spectra of Excitons in Very Thin KC1-KBr Multilayer Structures" J.Phys.SOC.Jpn.58. 2669-2672 (1989)
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[Publications] 江尻有郷,中川和道,波田野彰: "Absorption Spectra of Quantum Well Exciton in Alkali Halide Multilayer Structures" Physica Scripta. 41. 95-98 (1990)
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[Publications] 江尻有郷,中川和道: "Absorption Spectra of Quantum Well Exciton in RbC1-KBr Multilayer Structures" Solid State Commun.(1990)
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[Publications] 江尻有郷,中川和道,波田野彰: "Interface Mixture Effects on the Quantum Well Exciton in KC1-KBr Multilayer Structures" Activity Report of Synchrotron Radiation Laboratory ISSP The University of Tokyo. 1989. (1989)
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[Publications] 江尻有郷,中川和道,波田野彰: "Absorption Spectra of Quantum Well Exciton in annealed RbC1-KBr Multilayer Structures" Activity Report of Synchrotron Radiation Laboratory ISSP The University of Tokyo. 1989. (1989)