1988 Fiscal Year Annual Research Report
融液からの結晶成長機構における要素過程の光散乱による研究
Project/Area Number |
63460032
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
八木 駿郎 , 理学部, 助教授 (30002132)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 彰 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70136422)
|
Keywords | 結晶成長 / 要素過程 / 光散乱 / 低周波モード / 固ー液界面 / イオン結晶 / 準弾性散乱光 |
Research Abstract |
(1)現在までの進行状況 当研究計画における主要な設備である連続励起型Nd:YAGレーザー、高速ゲートパルサー、デジタルオシロスコープ、デジタル遅延パルス発生器などは順調に納入され、それぞれの性能は設置実験室において確認された。本研究目標を達成するためには固相中の融液相の領域に近い部分のみのスペクトルをまず検出する必要がある。イオン結晶NaNO_3およびKNO_3を用いて温度調節器付光散乱セルにより融液領域直下におけるスペクトルを観測することに成功した。その結果極めて強い低周波成分(準弾性散乱)スペクトルがアニオンの運動の特徴を良く反映していること、およびすでに固相中に融液状態の特徴をもつスペクトルを生じる分子運動が励起されていることが明らかになった。この運動が結晶成長の要素過程に対してどのような寄与をなしているかは現在のとこめ明らかになっておらず、解析中である。現在までの進行状況における反省点としては、固ー液界面からの強い純弾性散乱光(準弾性散乱光ではなく)をいかに除去するかという点が、もう少し徹底しても良いのではないかと思われる。 (2)来年度の計画 境界面からの強い弾性散乱光をおさえるために、新型の光散乱セルを本年度の実験結果の検討をもとに試作し、それを用いて実際に結晶成長を起す固相ー融液相共存状態を実現して目的の要素過程を司さどる励起状態を見出してゆく。したがって論文出版は来年度以降になるので現在のところ出版予定のものばかりである。しかしながら強弾性散乱光の除去のため、今年度の研究過程で開発された新型空間フィルターは充分な効果を発輝するものと思われる。
|