1989 Fiscal Year Annual Research Report
融液からの結晶成長機構における要素過程の光散乱による研究
Project/Area Number |
63460032
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
八木 駿郎 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (30002132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 彰 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70136422)
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Keywords | 結晶成長 / ラマン散乱 / ハイパ-ラマン散乱 / 光散乱 / 要素過程 / 融液 / Melt / Growth |
Research Abstract |
(1)ハイパ-ラマン散乱システムの完成 回相-融液相の間の領域においてposition sensitiveなスペクトルを観測することが当研究課題の最も重要なポイントである。実際に予備的実験をいくつか進め、また簡単なシミュレ-ションを併用することにより、この両相境界領域においては屈折率の差にともなう入射レ-ザ-光の弾性散乱が極めて強く存在し、その強度および分光スペクトルへの重なりの程度は無視できない程大きいものであることが明らかになった。 そのため光散乱スペクトルのうち成長機構の要素過程を反映する低周波スペクトルを正確に観測するためには、通常の1光子過程による光散乱ではなく2光子過程によるいわゆるハイパ-ラマン散乱が必要であることが結論された。当研究助成金により購入されたNd:YAGパルスレ-ザ-、パルス発生装置および遅延回路を用いて、この目的のためにハイパ-ラマン散乱システムが構成された。それにより微弱なH_2Oからのハイパ-ラマン散乱スペクトルを観測することができた。 (2)要素過程のダイナミクスを反映するスペクトルの観測 精密に温度制御がなされる光散乱セルがいくつか完成した。これらを上述の分光システムに組み合わせて要素過程スペクトルの測定が現在行われるようになった。この場合結晶相としては対称中心のあるものを用いると通常ハイパ-ラマンスペクトルに現れるSHG光が生じないので、低周波スペクトルを観測するには都合が良い、現在このような結晶系および対称中心を欠く系について研究が行われている。 (3)研究結果 以上のような本研究の遂行過程から次頁に示されるような、さまざまな研究成果が得られた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 八木駿郎: "Phase Transition of DSP and DDSP" Ferroelectrics. 96. 203-207 (1989)
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[Publications] 八木駿郎: "Raman Scattering Spectra of Internal Modes of Ferroelectric Deuterated Dicalcium Propionate,Ca_2Sr(C_2D_5CO_2)_6" Ferroelectrics. 89. 61-68 (1989)
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[Publications] 八木駿郎: "Pressure Dependence of Light Scattering Spectra of KDP" Ferroelectrics. 95. 249-252 (1989)
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[Publications] 荒井正純: "Elastic Instability in the Ferroelastic Phase Transition of TlH_2PO_4 Studied by Brillouin Scattering" Journal of the Physical Society of Japan. 59. 1285-1292 (1990)
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[Publications] 八木駿郎: "On the ω-q Relation of the Soft Mode of KDP Studied by Light Scattering under a High Pressure" Journal of the Physical Society of Japan. 59. 1430-1437 (1990)
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[Publications] 真田端穂: "球面Fabry-Perot干渉計とマイクロコンピュタ-による高分解能Brillouin散乱観測システム" 分光研究. 38. 113-121 (1989)
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[Publications] 三井利夫: "Landolt-Bornstein III,Volume 28" Spriger-Verlag Berlin, 1500 (1990)