1989 Fiscal Year Annual Research Report
交差ビ-ム法による原子イオンの電子衝突励起及び2電子再結合の研究
Project/Area Number |
63460038
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
鈴木 洋 上智大学, 理工学部, 教授 (70053486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 俊暢 上智大学, 理工学部, 助手 (00154914)
脇谷 一義 上智大学, 理工学部, 講師 (10053604)
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Keywords | 電子ーイオン衝突 / イオンの励起 / 極端紫外分光 / 交差ビ-ム法 / 2電子再結合 / イオンの電離 |
Research Abstract |
原子イオンの電子衝突による励起および電離過程を研究する目的で、以下の装置を整備し、数種の中性原子およびイオン種について電離断面積の測定を行なった。現在イオンの励起断面積測定の準備を進めている。 1、瀬谷ー波岡型50cm真空分光器の入射側と射出側にそれぞれ衝突チェンバ-と位置敏感検出器を取り付け電子衝突による極端紫外発光スペクトルの定量測定を行ない、発光断面積の決定を行なった。昨年度発表したAr原子の3s電離部分断面積に続いて、今年度はKrの4s(Phys.Rev.Aに印刷中)、Neの2s、Xeの5sについて電離部分断面積の測定を行ない、発表の準備を進めている。これら希ガス原子の外殻s電子電離断面積は、それを衝突電子のエネルギ-の関数として表わすと、しきい値のすぐ後に大きな極大値を持つ共鳴的振る舞いを示し(但しNeは例外である)、理論的興味の対象となっている。 2、電子衝撃によるイオンの発光スペクトルの定量測定に進むために、イオン源の改良を行なった。アルカリおよびアルカリ土類ゼオライトを用いる熱放射型イオン源及びReリボンによる表面電離型イオン源につき開発を試み、1〜10μAのアルカリ及びアルカリ土類イオンビ-ムを発生する小型のイオン源を得た。 3、上記の研究と並行して、電子一イオン交差ビ-ム実験装置を用いてイオンの電離断面積の測定を行なった。昨年度のO^+、S^+、S^2に続いて、C^+、N^+、P^+;F^+、Ne^+、Cl^+、Ar^+、;Ne^<2+>、Ar^<2+>、Kr^<2+>、およびXe^<2+>1重電離断面積の測定を行ない発表した。本年度はさらに内殻電離や励起ー自動電離過程に関連して、Ca^+、Sr^+、Ba^+の2重および3重電離断面積の測定を行なった。今後はイオンの励起断面積の測定を進めるとともに、上記のデ-タを総合して、イオンの電離・励起過程における共鳴現象を明らかにしたい。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] G.P.Li et al.: "Determination of cross sections and oscillator strengths for argon by electron energyーloss spectroscopy" Phys.Rev.A. 38. 1240-1247 (1988)
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[Publications] I.Yamada et al.: "Electron Impact Ionization of 0^+,S^+ and S^2 Ions" J.Phys.Soc.Jpn.57. 2699-2704 (1988)
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[Publications] G.P.Li et al.: "Cross section for 3s ionization in argon by electron impact" Phys.Rev.A. 38. 1831-1838 (1988)
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[Publications] 平山孝人・鈴木洋: "電子衝撃によるイオンの電離過程に現われる巨大共鳴" 日本物理学会誌. 44. 113-115 (1989)
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[Publications] I.Yamada et al.: "Electron Impact Ionization of C^+,N^+ and P^+ Ions" J.Phys.Soc.Jpn.58. 1585-1589 (1989)
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[Publications] I.Yamada et al.: "Electron Impact Ionization of F^+,Ne^+,Cl^+ and Ar^+ Ions" J.Phys.Soc.Jpn.58. 3151-3156 (1989)
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[Publications] Atsushi Matsumoto et al.: "Measurements of Absolute Cross Sections for Electron-Impact Ionization of Doubly Charged Rare Gas Ions:Ne^<2+>,Ar^<2+>,Kr^<2+>,and Xe^<2+>" J.Phys.Soc.Jpn.59. (1990)
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[Publications] H.Suzuki,T.Hirayama and T.Takayanagi: "Giant Resonances in Double Ionization of Atomic Ions" Electronic and Atomic Collisions,Invited papers of the XVI International Conference on the Physics of Electronic and Atomic Collisions,New York,26 July-1 August 1989. (1990)
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[Publications] T.Takayanagi et al.: "Measurement of electronーimpactーexcitation cross sections and oscillator strengths for Kr" Phys.Rev.A. 41. (1990)