1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 利紘 東京大学, 理学部, 助教授 (70011616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴崎 和夫 国学院大学, 文学部, 助教授 (00178899)
岩上 直幹 東京大学, 理学部, 助手 (30143374)
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Keywords | 成層圏オゾン / 二酸化窒素 / 三酸化窒素 / 気球観測 |
Research Abstract |
成層圏オゾンの光化学数理モデルを検証するには、各種微量成分の高度分布に関する良質の観測データが必要である。いくつかの成分について高度分布の日変化を同時観測したデータが得られれば、モデル検定の精度は飛躍的に向上する。このようなことから、大気球搭載用の星掩蔽法を使う測定器を開発し、成層圏二酸化窒素、三酸化窒素およびオゾンの高度分布を同時測定し、その測定を一晩中継続して高度分布の夜間変化を観測する計画である。 星掩蔽法による測定器は、1等星より明るい星を光源とする可視吸光法の原理に基づいており、星追尾部・集光部および多チャネルのフィルタ分光測光部より構成する。地平線付近の星を捜索・捕捉追尾して、地平線下に没するまで観測する。この一連の観測を夜中繰り返すので、成層圏の低温・真空条件下で長時間安定に嫁働する測定器を製作する必要がある。 二酸化窒素、三酸化窒素、オゾンの3成分について差分吸光を測定するために、フィルタ分光測光計は6チャネルとし、また1等星程度の星まで観測するので、集光鏡の口径を20cmとすることで測定器の基本設計を完了した。星の捕捉・追尾には補助平面鏡を回転させて行うこととし、これを星の位置センサーからの信号によってサーボ制御する。この鏡の駆動メカニズムは、従来われわれが気球測定器で用いたものを改良し、高速応答と低温条件下の安定嫁働をはかった。星捕捉追尾部の設計・製作を完了し、実験室での性能テストを終了した。 集光部および測光部の製作は、極力手作りの部分を増やし製作費低減に努力する予定であるが、別途財源が必要となる事態は避けられそうにもない。また装置全体を耐寒構造にするにも当初見積りより大幅な経費増が見込まれる。
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