1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460052
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 清 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80114859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 滋生 東京工業大学, 工学部, 助手 (20218572)
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Keywords | ガ-ネット / パイロ-プ / アルマンディン / アンドラダイト / 結晶構造 |
Research Abstract |
初年度にEXAFS分光法で検討したパイロ-プ、アンドラダイト、アルマンディンの3種類の天然ガ-ネットと、希土類ガ-ネットGd_3Sc_2Al_3O_<12>(GSAG)のファセット及びオフファセット領域について単結晶X線回折法による結晶構造解析を行った。全原子座標、座占有率、異方性温度因子と異方性消衰効果に対する補正値とをそれぞれパラメ-タとして最小自乗法により精密化した。得られた最終のR因子はアンドラダイト以外の4試料については全て2%以下となった。これに対して、アンドラダイトではR=0.048と不十分な結果であり、差フ-リェ図で8配位席の周辺に電子密度の不一致が残った。分析電顕による組成分析の結果から、この原因として試料の均質性の面で問題があったものと考えられた。得られた席占有率の結果から組成式を求めると、パイロ-プでは(Fe^<2+>_<2.68>Ca_<0.60>Mn_<0.10>Mg_<2.64>)(Al_<3.91>Fe^<3+>_<0.03>)(Si_<5.39>Al_<0.57>)O_<23.57>で、各席の空孔は2%以下であった。アルマンディンでは、(Fe^<2+>_<4.73>Ca_<0.13>Mn_<0.18>Mg_<0.89>)(Al_<3.83>Fe^<3+>_<0.03>)(Si_<5.76>Al_<0.06>)O_<23.33>で、前者よりもわずかに空孔が多くなっていた。またこれらの結果は、ICP分析値より計算された構造式とよく一致した。一方、希土類ガ-ネットのGSAGでは、ファセット領域で(Gd_<5.82>Sc_<0.18>)(Sc_<3.42>Al_<0.58>)Al_<5.72>O_<23.59>、オフファセット領域では(Gd_<5.81>Sc_<0.19>)(Sc_<3.40>Al_<0.60>)Al_<5.76>O_<23.64>であった。4配位席には4〜5%の空孔が存在したが、両領域で席占有率に有意な違いは見られないことがわかった。この結果は、前年度に報告した希土類ガ-ネットLa_<2.5>Lu_<2.5>Ga_3O_<12>(LLGG)とGd_3Sc_2Ga_3O_<12>(GSGG)で得られた結果と同じであった。
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[Publications] F.Marumo,H.Morikawa,Y.Shimizugawa,M.Tokonami,N.Miyake,K.Ohumi and S.Sasaki: "Diffractometer for Synchrotron Radiation Structural Studies of Hig Temperature Melts" Rev,Sci,Instru.60(7). 2421-24 (1989)
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[Publications] 岡田 清,坂本 尚史,林 久人: "分析電子顕微鏡を用いた粘土鉱物の化学分析における問題点" 鉱物雑. 19. 143-50 (1990)