1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460066
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
綱脇 恵章 大阪産業大学, 工学部, 教授 (90030056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大東 延久 関西大学, 工学部, 教授 (20067549)
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Keywords | 分布帰還型導波路 / 自由電子レーザー / 光励起サブミリ波レーザー / ウイグラー / アンジュレーター |
Research Abstract |
我々は、大電流誘導加速器とヘリカルウィグラーを組み合わせ、いわゆる自由電子レーザー(FEL)として用い、サブミリ波領域での自然放出光および超放射光を観測してきた。この放射光をスペクトル幅の狭いレーザーへと成長させるには、分布帰還(DFB)型導波路を用いるなどの工夫をする必要がある。本研究においてはこのDFB型導波路の(1)計算機シュミレーションによる解析、(2)光励起サブミリ波レーザーを用いての伝搬特性測定、(3)誘導加速器を用いたFEL装置への適用、を目指して研究を推進した。 計算機シュミレーションに於いては、伝送線回路の立場から解析することにより、ピッチ数に等しい数だけ金属メッシュが並行に並ぶFabry-Perot型干渉計に対応づけて取り扱えることが判った。この結果、定性的にはスペクトル幅の先鋭化とレーザーとしての高出力化の条件は、DFBの単一周期構造の実効的反射率を小さくして全ピッチ数を増加させると良いことが明らかとなった。この結果をもとにピッチ0.4〜0.8mm(0.1mm毎に変化可能)のブラッグ反射型導波路を設計試作し、その伝搬特性を波長〜430μmと〜450μmで同時発振させた光励起サブミリ波レーザーを用いて実験的に調べた。その結果ある条件のもとでは片方の波長のレーザーの透過率が他方より〜40%高くなることが判ったが、レーザー装置の度重なる故障の故、残念乍らモード測定にまでは至らなかった。一方この導波路をFEL装置に適用して回折格子ポリクロメーターで放射光を分光測定した結果、〜15GHzのスペクトルの先鋭化が測定されDFB導波路の有効性を実証することができた。今回は短形断面のDFB構造を持つ導波路についてのみ実験を行ったが、例えばネジ構造などのDFB導波路を用い、その分光特性の測定を通じFELに最適なDFB導波路が設計できるものと期待される。
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