1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460070
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曽根 良夫 京都大学, 工学部, 教授 (80025923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 貞映 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (00031469)
青木 一生 京都大学, 工学部, 助教授 (10115777)
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Keywords | 希薄気体力学(分子気体力学) / ボルツマン方程式 / すべりの境界条件 / クヌーセン層 / ポアズイユ流 / 熱ほふく流 / 熱遷移流 / 蒸発・凝縮 |
Research Abstract |
1.解析的研究:(1)気体の希薄度が小さい場合に対して標準型ボルツマン方程式の系統的漸近解析を行い、気体の一般的振舞を記述する流体力学的方程式とその境界条件(すべりの条件)を導いた。(2)曽根による高度に希薄な気体の振舞に関する一般解法を応用し、種々の複雑な系における加熱・冷却物体群に働く力、伝わるエネルギーを厳密に求めた。 2.数値解析:(1)上記1(1)のすべりの条件に含まれる種々の定数(すべり係数)および境界近傍(クヌーセン層)における補正項は、1次元線形化ボルツマン方程式の半空間における境界値問題を解くことにより決定される。これを精密に数値解析するために、ベクトル計算機に適した効率の良い衝突積分の計算法を工夫し、線形化ボルツマン方程式の新しい差分スキームを開発した。これを用いて、温度の跳び、せん断すべり流、熱ほふく流等の基本的な半空間境界値問題を解析し、境界での温度の跳びと速度のすべり、クヌーセン層の構造を正確に求めた。これによって第1次の希薄化効果に対するすべりの条件とクヌーセン層補正が完結した。これと平行して、平面凝縮相における蒸発・凝縮の問題も精密に解析した。(2)上記差分スキームを応用して、平板間のポアズィ2流・熱遷移流、異温度平板間の熱伝達等、基本的かつ応用上重要な問題を全範囲の希薄度にわたって解析し、諸量(流速分布、流量等)の希薄度による変化を解明した。(3)非線形モデル方程式をもとに、平面凝縮相における強い非定常蒸発・凝縮を差分法によって精密に解析し、衝撃波や膨張波の形成と伝播の様子および定常な蒸発(凝縮)が起こる場合のパラメータ間の関係を明らかにした。(4)線形化モデル方程式から導かれる巨視的変数に対する積分方程式を解く反復スキームを開発し、これによって低圧気体特有の温度場によって誘起される流れを解析し、気体中の物体に働く力、伝わるエネルギーを全希薄度に対して正確に求めた。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Yoshio,Sone: Physics of Fluids A. 1. 363-370 (1989)
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[Publications] Kazuo,Aoki: Physics of Fluids A. 1. 409-419 (1989)
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[Publications] 杉元宏: 真空. 32. (1989)
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[Publications] 青木一生: 真空. 32. (1989)
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[Publications] Taku,Ohwada: Rarefied Gas Dynamics,Progress in Astronautics and Aeronautics, edited by E.P.Muntz,et al.(American Institute of Aeronautics and Astronautics). (1989)
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[Publications] Yoshio,Sone: Lecture Notes in Mathematics, edited by G.Toscani(Springer-Verlag). (1989)
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[Publications] Yoshio,Sone: Physics of Fluids A. 1. (1989)
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[Publications] Taku,Ohwada: Physics of Fluids A. 1. (1989)
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[Publications] Taku,Ohwada: Physics of Fluids A. 1. (1989)