1988 Fiscal Year Annual Research Report
惑星大気を利用した推進機関燃料としての金属の燃焼に関する研究
Project/Area Number |
63460072
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯浅 三郎 東京都立科学技術大学, 工学部, 助教授 (60123147)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 正章 東京都立科学技術大学, 工学部, 助手 (30099353)
後藤 登 東京都立科学技術大学, 工学部, 助手 (50099363)
磯田 浩 東京都立科学技術大学, 工学部, 教授 (80012186)
|
Keywords | 惑星大気 / ジェットエンジン / 二酸化炭素 / 金属 / ボロン / マグネシウム / リチウム / 着火 / 燃焼 |
Research Abstract |
火星や金星の大気圏内で用いる、二酸化炭素を酸化剤・作動流体とし金属を燃料とするジェットエンジン用燃焼器開発の基礎データを得ることを目的として、本研究は進めている。以下に本年度に行った研究の項目とその実績概要について述べる。 1.高周波加熱を用いた高温加熱着火装置の製作 アルミニウムを自発着火させるために出力5kwの高温加熱着火装置を製作・完成させた。現在はまだ予備実験の段階であるが、空気中ではアルミニウムは2000°C付近の高温にまで容易に昇温し、着火燃焼することが確められた。本装置を用いた本格的な実験は次年度に行う予定である。なお、本装置ではボロンは全く加熱されなかった。 2.自発着火温度の測定 ボロンについて、既存のクセノンランプ加熱装置を用いて着火実験を行った。その結果、二酸化炭素中ではB-CO_2系の断熱火炎温度にまでボロンを加熱しても自発着火しないことがわかった。比較のため酸素-窒素混合気中で着火過程を調べたが、酸素濃度が30%以下ではボロンの融点においても着火しないこと、また50%以下では着火は起すものの自立燃焼ができないことが明らかになった。 3.金属-二酸化炭素反応過程の解明 リチウムとマグネシウムに対して、二酸化炭素中の火炎スペクトルの観測や燃焼ガス分析、残留燃焼生成物の分析を行った。その結果、これらの金属が二酸化炭素中で燃焼すると凝縮した金属酸化物と気体の一酸化炭素が形成されることが明らかになった。特にリチウムの場合はそれ以外に、気相反応に続く表面反応によって炭酸リチウムが形成され、マグネシウムに比べてその燃焼過程が複雑であることが明らかになった。
|