1989 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカル・アロイ酸化物分散強化型超合金の高温破壊に関する研究
Project/Area Number |
63460073
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大谷 隆一 京都大学, 工学部, 教授 (50025946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 隆行 京都大学, 工学部, 助手 (20169882)
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Keywords | 酸化物分散強化型超合金 / メカニカル・アロイ / 高温破壊 / 結晶粒界 / 破壊力学 / 確率モデル / 計算機シミュレ-ション |
Research Abstract |
1.メカニカル・アロイイングによりイットリアを分散して強化したニッケル基超合金Inconel MA754長軸結晶材(二次再結晶により結晶粒を一方向へ伸張させた材料)の高温クリ-プ疲労き裂伝ぱ試験(大気中900℃および1000℃)を行った。試験片表面においてき裂先端が伝ぱ方向と垂直の粒界に近づくと、伝ぱ速度は著しく減速されて一時的な停留が観測された。すなわち、応力軸方向に伸張された結晶粒界がき裂伝ぱの障害として働いている事が明らかになった。しかし、板厚5mmの試験片でき裂前縁が約10結晶粒(約5mm)にわたると、局所的には結晶粒界によってき裂伝ぱは減速されるものの、全体としては停留等のない滑らかなき裂伝ぱ曲線が得られた。これは、き裂前縁での結晶粒界の効果が平均化された結果である。また、き裂伝ぱ速度は、き裂伝ぱ、先端近傍のクリ-プひずみ速度場を代表する巨視破壊力学パラメ-タであるクリ-プJ積分と良い対応関係を示した。 2.二次再結晶を施していないInconel MA754等軸結晶と酸化物を分散していない母材の組成に近いニッケル基超合金Nimonic75のクリ-プ疲労き裂伝ぱ試験(大気中,前者は800℃,後者は900℃)を行った。き裂はほぼ滑らかに伝ぱし、その伝ぱ速度はクリ-プJ積分と良い対応関係を示した。また、同関係は長軸結晶材のそれと一致し、三者のき裂伝ぱ抵抗に大きな相違がないことが明らかになった。ただし、負荷応力と温度条件は大きく異なり、高温では長軸結晶材の優位が明かであった。 3.材料微視組織の影響を受けて不規則な挙動を示すクリ-プ疲労微小き裂の発生・成長を確率変数を用いてモデル化した。同モデルに基づいて三次元クリ-プ疲労き裂発生・成長の計算機シミュレ-ションプログラムを開発した。本シミュレ-ション結果は、試験観察によって得られた微小き裂の発生・成長確率の結果と良い一致を示した。
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[Publications] R.Ohtani: "Behavior of Initiation and Growth of Creep and Creep-Fatigue Small Cracks in Austenitic Stainless Steels" “Advances in Fracture Research"Proc.7th International Conference on Fracture,Pergamon Press. 1. 213-221 (1989)
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[Publications] Takayuki Kitamura: "Creep Life Prediction Based on Stochastic Model of Microstructurally Short Crack Growth" J.of Engineering Materials and Technology,Trans.ASME. 111. 169-175 (1989)
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[Publications] R.Ohtani: "Numerical Simulation of Initiation and Early Propagation of Creep-Fatigue Small Cracks Based on a Model of Random Fracture Resistance of Grain Boundaries" “Structural Design for Elevated Temperature Environments-Creep,Ratchet,Fatigue,and Fracture",ASME PVP. 123-127 (1989)
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[Publications] T.Kitamura: "Stochastic Damage Variable Based on Randomly Distributed Micro-Cavities During Creep" “Advances in Plasticity 1989",Proc.of PLASTICITY '89,. 687-690 (1989)
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[Publications] 大谷隆一: "SUS304の高温における一方向引張とクリ-プ疲労の微小き裂発生・成長挙動の相違" 材料. 38. 1067-1072 (1989)
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[Publications] 楊王〓: "交流電位差を用いたSUS304とTi-17の荷重制御下およびき裂中央開口変位制御下のクリ-プ疲労き裂伝ぱ試験" 材料. 38. 1409-1414 (1989)
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[Publications] 大谷隆一: "電位差法における表面半楕円き裂形状・寸法測定" 日本機械学会論文集(A編). 56. 259-264 (1990)
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[Publications] 大谷隆一: "クリ-プ疲労条件下の微小き裂発生・成長に及ぼす圧縮ひずみ速度の影響" 日本機械学会論文集(A編)掲載予定. 56. (1990)
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[Publications] 北村隆行: "たたみこみ積分法による3次元微小クリ-プおよびクリ-プ疲労き裂発生確率の解析的検討" 日本機械学会論文集(A編)掲載予定. 56. (1990)
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[Publications] 北村隆行: "SUS304の結晶粒界長さおよび角度分布とそのクリ-プ疲労微小き裂発生・成長に及ぼす影響" 日本機械学会論文集(A編). 56. (1990)
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[Publications] 多田直哉: "三次元粒界破壊抵抗分布モデルによるクリ-プ疲労微小き裂のモンテカルロ・シミュレ-ション" 日本機械学会論文集(A編). 56. (1990)
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[Publications] 大谷隆一: "耐熱金属平滑材のクリ-プ疲労下における表面微小き裂発生・成長挙動" 材料. 39. (1990)