1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460087
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Research Institution | SCIENCE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
阿武 芳朗 東京理科大学, 工学部, 教授 (40016209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 成香 東京理科大学, 工学部, 助教授 (80096718)
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Keywords | 静圧軸受 / ジャ-ナル軸受 / 可変絞り / 高剛性 |
Research Abstract |
静圧ジャ-ナル軸受において無限大に近いきわめて高い剛性を達成するために、浮動円板に加わる流体力の釣合を利用した新しい可変絞り要素を提案した。この可変絞り要素は従来の可変絞りの欠点を解消できるきわめて有用なものである。本年度はこの可変絞りを基本的な軸受形式である静圧スラスト軸受に適用した場合の動的特性をまず明らかにした。つぎに静圧ジャ-ナル軸受への適用を試み、その静的特性を理論的、実験的に調べた。 軸受には静的な荷重ばかりでなく、時間的に変動する動的な荷重が加わることも多い。ここでは可変絞り形静圧スラスト軸受にステップ状の負荷が加わった場合の軸受特性について明らかにした。その結果、可変絞り形スラスト軸受は、無限大に近いきわめて高い剛性が達成されている領域では、実用上十分に速いステップ応答を示し、ステップ状の変動負荷が加わった場合でもオ-バ-シュ-トのない安定した動作を示すことがわかった。 つぎに静圧ジャ-ナル軸受において、きわめて高い剛性を達成するために浮動円板を用いた可変絞り要素を静圧ジャ-ナル軸受に適用し、そのための軸受構造を新たに提案した。そしてその静的特性を理論的、実験的に明かにし、その結果次のような結論を得た。 (1).提案した軸受構造を持つ可変絞り形静圧ジャ-ナル軸受は、荷重方向にかかわりなく比較的広い荷重範囲にわたってきわめて高い剛性を得ることが可能である。また、軸心の位置も可変絞りが有効に機能している範囲で荷重方向によらず一定であり、ほとんど変化しない。 (2).本軸受では高い剛性を得るための設計条件が軸受形状のみによって決定され、給油圧力にはほとんど影響されない。従って設定給油圧力が変化した場合でも常に高い剛性を得ることができる。
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[Publications] 吉本、阿武、川嶋: "浮動円板を用いた可変絞り形静圧スラスト軸受(静的特性)" 日本機械学会論文集(C編). 55. 1084-1089 (1989)
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[Publications] 吉本、阿武、山崎: "浮動円板を用いた可変絞り形静圧スラスト軸受(動的特性)" 日本機械学会論文集.
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[Publications] 吉本、阿武、甘利: "可変絞り形静圧ジャ-ナル軸受に関する研究(静的特性)" 日本機械学会論文集.