1990 Fiscal Year Annual Research Report
三次元遷音速流動における衡撃波ー境界層の非定常干渉
Project/Area Number |
63460091
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 雅弘 九州大学, 工学部, 教授 (90037903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 雅人 九州大学, 工学部, 助教授 (30181449)
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Keywords | 遷音速流れ / 衡撃波 / 境界層 / 非定常流れ / 振動 / タ-ビン翼列 / 実験 / 数値計算 |
Research Abstract |
本研究は、遷音速流動における衡撃波と境界層の非定常干渉と、流れの三次元性との関係を明らかにすることを企図して始められた。初年度と次年度に行った翼形状とアスペクト比の異なる5種類の翼列試験の結果から、衡撃波ー境界層の三次元的干渉の内部構造に関しては、ある程度の知見は得られたものの、三次元的な流動現象と衡撃波の振動現象を結びつける直接的要因を特定することはできなかった。しかし、本研究の逐行課程において、タ-ビン翼列のある作動条件で特定の周波数のみが卓越する振動が発生することが見い出された。この振動は流れの三次元性には依存せず、二次元的なものではあるが、実際のタ-ビン翼の励振力になる可能性もあるので、強度設計上重要である。そこでこの現象を予測しうる数値シミュレ-ション法の開発を行った。ところで、従来の非定常遷音速粘性流れの数値シミュレ-ションは、計算効率を上げるために陰的時間進行法により行われているが、近似因子化法を採用しているので時間ステップを大きくすると各時間ステップで残差が小さくならず、正しい非定常解が得られなかった。本研究では、この問題に対処するために、有限体積形TVD法を用いた緩和形の陰的風上法による時間進行法を開発した。この方法により、タ-ビン翼列の遷音速非定常流れの数値シミュレ-ションを行った結果、翼に作用する非定常力には、翼後緑からのカルマン渦の放出による高周波数の振動成分と、流れの不安定性によると見られる低周波数の振動成分があることが明らかになり、後者の振動周波数は、本研究で実験的に得られた卓越周波数と比較的よく一到することが分かった。
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[Publications] M.Inoue: "Shock Wave Oscillation with Inherent Freguency in Transonic Turbine Cascade" Proceedings of the Second KSMEーJSME Fluids Engineering Conference. 2. 111-116 (1990)
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[Publications] M.Furukawa: "Unsteady NavierーStokes Simulation of Transonic Cascade Flow Using an Unfactored Implicit Upwind Relaxation Scheme" Journal of Turbomachinery,Transactions of the ASME. 114. (1991)